「計り知れぬ大きな安らぎを覚えます」

皇后さまは陛下が(2年後に)ご退任あそばすことを深い感慨とともに、ご自身の83歳のお誕生日にさう述べられた。また「ICANのノーベル平和賞受賞」についても関係者の長い努力を「大きな意義があったと」たたへられた。

 

「内閣の助言と承認」───が心配になる。

この二人のことである。つまり、安倍晋三首相と米国のトランプ大統領のことであるが、こんなに国内ばかりか、いわゆる人類に対しても、不誠実さに欠ける御仁はわたしは知らない。そのトランプ氏が日本に11/5に立ち寄る、訪問すると云ふのである。あからさまに選挙のためだったかどうかは知らないところだが、拉致被害者との対面も用意されてゐるということだ。

 

ハリケーン「マリア」(プエルトリコ)被災者にペーパータオルを投げ入れたことが批判の的になった。(10/3日、プエルトリコ)=ロイター)

「16人対数千人だ」「地元で努力すべきなのに何でもやってもらいたがる」「大金を使ったので連邦予算が少し苦しくなった」

 

17,2/10世界の首脳に先駆けていの一番に米国に駆け付けてトランプ大統領を祝福した。

「長く実りのある週末を過ごそう」専用ヘリ「マリーンワン」からトランプ氏はツイート。パームビーチの別荘へと向かった。ゴルフを楽しむためである。

 

ゴルフと云へばこんなこともあった。

真珠湾でオバマ大統領と黙祷を捧げたのは安倍首相である。公式には日本の総理大臣としての慰霊は初めてのことではあった。しかし、真珠湾での演説の中で、首相は日本の開戦責任や、攻撃の引き金となったアジアでの戦争に対する反省を語ることはなかった。

■戦艦アリゾナから

■靖国神社を参拝した稲田防衛相(29日

 

慰霊に訪れたのは16,12/27のことである。東京とハワイの時差は19時間と聞く。そして、わが首相は日本に取って返して12/29日、つまり、慰霊の翌日にゴルフに興じているのである。

「いかなる歴史観に立とうとも、いかなる敵味方であろうとも、祖国のために命を捧げた方々に対して感謝と敬意と追悼の意を表するのは、どの国でも理解をして頂けるものだと考えている」。ハワイに同行した稲田朋美元防衛大臣は11/29日に靖国神社に参拝した。そのことを安倍首相はゴルフ場でまったく批判することさへなかった。不思議な感覚の人たちである。オバマ大統領はヒロシマ訪問に際し、そっと折り鶴を置いて行かれた。その奥ゆかしさが感じられるばかりではないか。その朋美元大臣が衆院選で当選した。もはや不思議な国と云はざるを得ない。

 

16,5,28(オバマ氏の折り鶴)「サプライズ」「象徴的な振る舞い」

■オバマ氏から贈られた折り鶴=27日、広島市中区、高橋雄大撮影

■16,5,28被爆者の森重昭さんを抱き寄せるオバマ米大統領

=27日午後6時8分、広島市中区、高橋雄大撮影

 

かういふ形容を多分キリスト教社会では"エンブレイス"と云ふのだらう。人類には心の底からの感動が必要なのだ。安倍首相、トランプ大統領、稲田朋美元防衛相、そしてオバマ元米国大統領、その際立つ違いに大きな落胆を覚えるのはひとり私ばかりではあるまい。

 

国事行為=具体的には、「内閣の助言と承認」に従うというのは国事行為の実質的決定権の所在が内閣にある(場合も含む)と理解するところでもある。

■(会見、引見)は国事行為ではなく公的行為とされる。

■引見=天皇・皇后が外国元首・王族以外の外国の賓客とお会いになること。

 

2009,12,15天皇と習国家副主席の会見が行われた。特例会見であり「引見」である。

小沢民主党幹事長が鳩山首相に「改憲はやらないとダメだ」「なにをやっとるのか」「ゴチャゴチャやっとらんで早くせい」と電話で伝えたとのことである。12/9のことである。そして12/10、民主党議員143名を引率した"小沢訪中団"が胡錦濤国家主席の元に出発した。胡錦濤主席はにこやかに一人一人の議員さんと握手をし、皆さんは満顔の表情で写真におさまった。

 

自由、民主民権、平等や法治は、人類普遍の悲願であり歴史的価値である。不誠実とは特に為政者に於いてはこれらのことを放棄した人たちのことを云ふ。そして、かう云ふ時にこそ、私たちは私たちが頂く天皇に対して、その象徴性のことを"天壌無窮"と押し掲げてもいいのではないか。願わくば、象徴を、いかにも「内閣の助言と承認」とばかりに濫用されないことを望むばかりである。政治ばかりか人類の理性に対する権利を放棄した人たちとの握手などと云ふのは、考えただけでもどこかおぞましく、是非御免蒙りたいものだ。慰霊と追悼を重ねておいでになられたわが天皇皇后に無用なご負担が心労となって掛かりませんやうに───。

■15,10/20日、歓迎式典でエリザベス女王(右)と握手する習国家主席=AP

グレートブリテンがそのマネー(=5兆円の商談)のために中国に屈する。中国は原発・高速鉄道の受注-先進国である英国の「お墨付き」を得れば、日米欧などと競い合う海外市場での受注合戦を有利に運べるとみるからだ。しかし、せめてこの手袋が救いだったのかもしれない。

 

倉石智證

皇室典範も含めてこう云ふところは憲法を変える必要があるのではないか。

そして、安倍首相とトランプ大統領はまたしても、"ゴルフ外交"に打ち興じる予定に。どこか庶民感覚からずれてゐるとしか云いやうがない。松山さんはたいへんだ。