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《外為コサックダンスレポート》I will dance cossack


         
when winning a great VICTORY.



2009年11月5日


(某ディーラーの独り言)

火曜日の豪政策金利発表(予想通り0.25%利上げ)で対円、対ドル下落。これは0.50%の利上げの噂があったためで、まさにマーケットの格言「噂で買われ事実で売られる」を地でいく相場付だった。これは事前の豪中銀声明の「景気に若干懸念あり」の内容にも影響され、利益鑑定が先行したこともある。兎にも角にも「利食い千人力」だ。昨夜のFOMCは金利据え置き→長期間異例の水準(0.00~0.25%)で継続。


「国債増発に頼って財政を賄っている間」はいつまで経っても内需拡大は無理難題

景気後退→景気対策→国債増発→金利上昇→企業収益圧迫→賃金下落→可処分所得減少→消費低迷→内需拡大できず→景気後退→景気対策の繰り返し。要するに「景気後退スパイラル」


4年前の衆議院議員選挙、いわゆる郵政選挙の時にマスコミ、国民こぞって郵政民営化に賛成だったはずなのに、何故今、民営化がバッシングされ、もう一度国営化に近いものという風潮なのか?確かに「かんぽの宿」処理等で不透明な部分があるのは事実だが、あまりのマスコミの「手のひら返し」姿勢は如何なものか。

例えば《民営化されてから不採算の郵便局が次々と閉鎖されている》という報道は明らかに誤りである。郵政公社時代に毎年50局程度閉鎖されていたが、民営化されてから1局しか閉鎖」されていないという事実。事実無根の話があたかも魔女狩りのようにマスコミに定着してしまったことが問題だ。かえって、中途半端な民営化はかつての郵政族のような権益を貪る輩の温床になってしまう可能性がある。

小生個人的には「郵便事業は国営化」でもイイと思うが、他の「金融事業は民営化」の方が断然イイ。株式を売却しないで民営化なんていうのも変な話しだ。一番懸念されるのは「郵貯や簡保のお金」だ。かつて郵貯のお金が「財政投融資」に勝手に使われていたように、また同じことが行われる危険性があることと、郵貯を現行の「銀行法の適用外」にするということを考えているようだが、論外だ。「銀行法の適用外」にするということは金利変動に対応できなくなってしまう。これは郵貯貸付をしていて、金利上昇の場合、金利を即座に上げられず、その負担分は国税投入という事態が考えられる。郵貯も現行の銀行法に照らし合わせて運用すべきことは当然だと思う。


Uとのへ



11/9日でベルリンの壁が崩壊して20年になる。
鄧小平が「南巡講和」をしたのが1992年。先富論である。
市場経済への舵を一気に切った。
ゴルバチョフの登場を奇貨としてロシアも長い共産社会主義の時代に幕を引いた。
“揺りかごから墓場まで”の英国病にけりをつけ、
鉄の宰相・サッチャー1980年代のイギリスを引っ張った。
結局、ウィンブルドン効果とは市場経済のことだ。
レーガンも規制緩和に踏み切った。
冷戦の終了は何を世界にもたらしたか。
多くの東側にいた、経済ではとんでもない危機に見舞われはしないが
冷たく暗い底をいつまでも這いまわらなければならない暮らしからの自由を
その国の人たちに与えたのだ。
市場経済への参入者、つまりプレーヤーが一気に増えた。
永遠に死ぬほどに退屈な平等(格差全廃)から
自由(自己責任と競争)へグローバル社会が始った。

「世界を買い国内を売る」世界の潮流は動かしがたい。
アジアは巨大な内需そのものだ。
「チャインドネシア」インドネシアを中印と並ぶ成長エンジンに位置づける。
これにベトナムを加えた4カ国の人口は=30億人
日本の対外戦略が進める経済連携協定(EPA)の相手国は、
農業などで軋轢の小さな、比較的小規模な国々が中心。
成長の押し上げには、もっと大きな国と仲間になる必要がある。
ところがいまの民主党はまた「巨大な田舎」を日本に再現させようとしている。

歴史とは時間のことである。
いくつもの壮大な文化社会人類学の実験を繰り返しながら、
決して後へ戻るということはなく先へと進んで来た。
グローバルも市場経済ももはや押しとどめることはできない。
中国は何をしている。
「創業板」であり「走出去」である。
元による貿易決済の一部解禁、香港での人民元の国債市場の創設、
インドシナ半島も含め、すでに元の国際化は始っている。
麻生太郎はIMFに=10兆円出資を決定したが、
中国はSDRを購入した。
出資とSDRとは決定的にその意味内容が異なる。
SDRは準備資金になりうるし、市場性も持ちうる。
人民元がアジアでの媒介通貨になるだろうというのはすでに既定の事実であるかのようだ。

どのような世界秩序の中で日本は行動すべきか
戦国時代から関が原の決戦以降、
諸大名はどのような秩序の中で行動し、価値を選択するべきかを模索した。
第一次世界大戦後、日本が選択したのはドイツであり、イタリアであった。
世界秩序はすでに米英であり、日本はその秩序の中で行動すべきだったのだ。
正義とか、面子とか、情緒ではないのだ。
ベルリンの壁以降、世界の壁は取り払われ、地球はますますフラット化し、
金融は巨大なコンピューターシステムそのものとなってネット上を飛び回っている。

G2は米国と中国、世界での物事の解決は一気にスピードを増す。
G3はというとここにEUが加わる。
まもなく批准が完了されるリスボン条約とはEUが一国になることを意味する。
1950年に始った欧州統合の集大成だ。
そしてG4でやっと日本が登場してくる。
G5ではインドが加わることになるそうだ。
G8は意味を成さなくなり、
08,10月には世界はG20に世界経済危機の行方を任せるしかなくなった。
多極化の時代に入った。

日本が内需ではないのである。
すぐそばにあるアジアが日本の巨大な内需なのである。
89-08年の日本の名目GDPは=1.4%
この間の世界の平均は=5.8%と大きく下回った。
分子に国債(利率)、分母にGDP(=1.4%)。
国民金融資産は=1500兆円を割り込み、うち現金資産は=約790兆円
国と地方の借金=860兆円
今期新しく国債発行額が=44兆円になるという。
何を意味するか。分母のGDP(成長)は変わらないのに、
上の分子(国債)の長期金利(コスト)が上昇して行くという図式。
つまり、上の部分の負担が増大して行って下が増えなければ、
当然この国はつぶれてしまうということだ。
日本はもう十分に割高の国になってしまった。
儲からない利回りを稼ぎ出せない国に投資しても仕方がない。

アジアはものすごい成長資金を欲しがっている。
金融とはあるところからないところに資金を回すことだ。
産業資本主義は永遠にベースとしては必要だろうが、
寝ていても稼いでくれる金融資本主義はすでに成長のためには欠かせない事実にもなっている。
郵貯簡保で=約300兆円
日本にはまったくおカネがないわけではない。

ところでいまの民主党とはなにか。
分母の成長戦略がない。
鳩山さんが忖度する小沢一郎なる人間は政策よりも政局(選挙)、
ゼネコン資質を角栄さんから受け継いだ巨大な田舎そのもののDNAである。
前原大臣が何かしようとしているが、
返済猶予、郵政の逆回り、子ども手当に、高校までの授業料無償化、
老人に対してまた手当が厚くなり、
国民の社会保障費が総額=92兆円07年度で)で
今期の国の予算が=95兆円とぱんぱんに膨れ上がってしまっている。
瑞穂亀井も少数政党である。
国民が全面的に支持したわけではないはずだ。
そのちゃんが皮肉なことに市場原理のレバレッジを使って、民主党を振り回し始めた。

11/9日、ベルリンの壁が崩壊。
それ以前の東ドイツは保護な福祉国家の典型だった。
ユニバーサルサービスといって郵貯簡保の上場を凍結、
暫定税率廃止で高速道路の無料化と
国民のそれは財産だといってそれらの資産を国民の手の元に返す。
しかし、自己責任と機会均等を前提とする資本主義から遠ざかった政策をとり続けていたら、
資産を国民の手に返すとは一見いかにも優しさに満ちた政策のようにみえても、
やがては人々と国家から活力を奪っていってしまうことは、
ソビエトや中国の歴史が証明している。

原子核に陽子が飛び込んでいく。
地球は宇宙の核分裂反応の末にできたとされる。
逆はあり得ないのだ。
とすれば時間とはその通りのことで決して逆には戻らない一方向のことだと考えられる。
市場もグローバル化ももう後戻りすることはない。
過保護、過剰な分配政策、
内向きな国家には未来は描ききれないのである。

松井選手もイチローもみんな外で稼いでいる。
鳩山政権はその現実をしっかと眼を見開いて見なければならない。

この人の笑顔がいいねMVPシャンペンの泡ゴジラ松井の

智笑

内を外にするか、外に内をするか、間合いである。