毎週月・木曜日配信
《外為コサックダンスレポート》I will dance cossack
when winning a great VICTORY.
2009年7月6日
(某ディーラーの独り言)
先週木曜日にEUの金利発表、米国雇用統計発表というメガトン級のイベントに緊張の連続でストレスが相当溜まった夜だった。結果はEU金利は1.0%の据え置き、米雇用統計は市場予想より-10万人の-46万7000人(前回レポートで小生は-40万人、誤差5万人と予想)だったのでドル/円、クロス/円ともに大幅下落。小生の得意とする「ショート相場」になった。しかし、この下落で相当痛い思いをしている人達が大勢いるであろうことは想像に難くない。ところで、1~6月での米雇用者の減少は約330万人にのぼった。オバマ大統領が今年1月の就任時に「350万人の雇用創出」をうたったが「プラスではなくマイナスでの同程度の消失」になったという皮肉。物事はかようにうまくいかないのが世の常だ。
6月のユーロ圏のCPI(消費者物価指数)がユーロ発足以来マイナスとなった。欧米、本邦ともにデフレリスクに晒されている。特に本邦の物価の下落に歯止めがかかっていないようだ。テレビの情報番組の特集は激安店紹介が目白押しだ。デフレは企業収益を圧迫し、体力の残っている(残っている企業は少数派)企業しか生き残れないことになる→社員給与減額→可処分所得減→企業収益圧迫→デフレスパイラル。
「お金を貸す」のが本業の銀行にもお金がない。英語にもなった「セイホ」(生保)にも他の名立たる金融機関にもお金がなく、皆な増資々だ。金融機関にお金がないのだから一般庶民にないのは当たり前。ということになるとますますデフレ進行ということになる。景気回復の道程はまだまだ遠いということか…。
中国が次回のG8でドル基軸通貨に替わる「スーパー・ソブリン通貨」を提唱するかもしれないという。こういう話が出る度にドル売りにつながる。近い将来、乱発された米国債の暴落を予想すれば「基軸通貨議論」がでるのも無理もない。
また、どこまで真実か分からないが中国は人民元の兌換性(他通貨との交換)を高め「基軸通貨のひとつ」にしたいという思惑があるんだそうだ。中国の高成長がこのまま続いて欧米・本邦のマイナス成長が続けばあながち戯言と言えないかもしれない。
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