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《外為コサックダンスレポート》I will dance cossack

         when winning a great VICTORY.


2009年5月21日

(某ディーラーの独り言)

火曜日からドルの独歩安が続いている。今のマーケットのリスク選好傾向の中「リスクヘッジ」としてのドルに魅力がなくなり「ドル余り現象」が起きてドル自体の価値低下が要因と思われる。今日94円ミドルを下抜けるかどうかだ。これを抜けたら円高方向に一方的に流れそうだ。

先週の「米国債格下げ観測」ドル・クロスともに売られる先週末であったが月曜日明けてみると「米国債格下げ観測」はすっかり影を潜めドル・クロスともに急騰するという上方向に激しく振られた週初めだった。ドル約2円、ポンド約5円、ユーロ約4円、豪ドル約3.5円という最近では珍しい急騰を示現した。ただ、こういった材料も刹那的なものに終わることが多い。

米銀大手19行に対するストレステスト(資産査定)が行われたが、どうにも「甘チャン査定」としか思われない結果だ。大前提の今年の米の失業率がどうみても二桁台にのることは市場関係者の衆目一致するところなのに8.9%などという甘い予測だ。大前提が甘いのに「資本の健全性を確保するための資本調達額」が足りるわけがない。それに各銀行が所有している「証券化商品の損失見込みを過小評価」している点だ。こういった不良資産を「約7掛けの評価」をしているが半値でも売却できるかどうかだ。皆、「本当のことは言いたくないし、言われたくない」といのが本音か?何度も言うが実態を露呈しないことには何の解決も見出せない。

昨年、9月のリーマンショックから世界同時不況に突入した時、本邦のマンガ太郎首相はノーテンキに『我が国は世界のどの国よりもいち早く景気回復する』と言い放ったが結果は今年第一四半期年率「-15.2%」で世界最悪で戦後最悪。どのような頭の構造していたらこんなに楽観的にものを考えられるのだろう?不思議だ。悲観的になりすぎることは無いが実態はしっかり把握していてもらいたいもんだ。一国の宰相なんだから…。


Uとのへ


Ancien régime「アンスャン・レジーム」、旧体制、旧秩序と
laissez-faire「レッセフェール」、自由放任主義「なすに任せよ」とを行ったり来たり。
1979,5/4日に誕生したサッチャー政権は、経済自由主義を旗印として
民営化、規制緩和、労働組合解体など急進的改革を断行した。
長く続いていた「英国病」から立ち直り、
米国でもレーガン政権が同様の路線を踏襲し、米英経済は驚異的に活性化した。
小さな政府「なすに任せよ」が世界の潮流としてしばらくは続いていたのだ。
政府、企業、労働者の代表が一堂に会して政策目標を決め、
三者が一丸となって目標達成に邁進するドイツ型社会民主主義のようなものもあるが、
サブプライム以降――、
米国もストレステストでは銀行に甘く、GMなどにも甘い。
英国でも労働党政権は金融界の利益を代弁し、
フランスではサルコジ政権は自動車業界の保護をあからさまに、
日本では、未曾有の危機発生とばかり「何でもあり」の財政金融政策のあり方に堕し、
Ancien régimeはここぞとばかりに予算獲得に走り出した。
危機発生により議会金融界は信頼をったのだ。

日本はひどいことになってゐる。
黒字化は不可GDP落ちて夏のボーナスは減黒きインフル
「骨太06」の11年基礎的財政収支の黒字化(毎年=2200億円の抑制策)は不可能であると、
与謝野馨財務・金融・経済財政相は明言。顔が青白い。
GDP(1-3期)年率換算で=15.2%のマイナス。
夏のボーナスも=20%の減。
ついに関東圏で新型インフルエンザが発症。

体たらく、といふも腹立たしい
漫画太郎に与謝野さん、邦夫も混ぜて花いちもんめ、だ。

智笑