毎週月・木曜日配信
《外為コサックダンスレポート》I will dance cossack
when winning a great VICTORY.
2009年4月23日
(某ディーラーの独り言)
昨夜はモルガン・スタンレーの赤字決算(時価会計)を嫌気してマーケットはドル/円、クロス/円ともに反落という展開で市場参加者のセンチメント悪化に拍車をかけた。
これで既に発表済みのゴールドマンや一連の金融機関の決算が好決算だったのは「会計基準の緩和のおかげ」だったということがバレテしまった。今後も新たな悪材料が出てくるたびにリスク回避(円買い)という状況が継続するという流れになった。
この次の材料は米金融機関のストレステスト(危機管理能力)の結果ということになる。結果次第では…!
前回レポートで「投資銀行の復活の可能性は十分ある」ということを言ったがその兆候が少しずつ出始めてきているようだ。ウォール街の住人はあれだけの地獄を見たにも拘らず金融規制改革案に反対を唱えている。既存の金融制度を申し訳程度に修正しただけでウォール街の慣行をそのまま継続しようとしている。兆候の一つは政府に救済された金融大手が「企業金融改革連合」という尤もらしい名称のロビー団体を作ったことだ。その設立の目的はというと「金融機関の店頭で取引されるデリバティブ取引に対する規制に反対」することだ。外部から見えにくい店頭取引はまさに信用崩壊そして金融危機を招いた複雑怪奇な取引そのものである。しかし、顧客である企業にも「自分のところの体質に合わせて尚且つ、安いコストで独自の商品設計が可能」である店頭デリバティブ取引を歓迎する傾向がある。金融機関も一度吸った甘い蜜の味は忘れられないのだろう→ウォール街はGreed(強欲)。
最近、為替取引の相談やアドバイスを求めてくる人が多くなったが「一日、朝・昼・晩と最低1時間づつ3時間、チャートを見ていられる人で損切りをしっかりできる人」。これを実践できない人は『悪いことは言わないからお止めなさい!』と申し上げている。
チャートを見てない人は「目をつむって車を運転しているようなものだ」。
「一年365日、24時間、世界中の何処かで取引」がある。そんな甘い世界ではない!自戒をこめて申し上げる。
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