カラオケに入って続く沈黙。
さっきまでは、苦じゃなかった沈黙が苦しくてたまらない。
機械から流れる明るい案内の声がやけに耳について。
黙ってても始まらない。
「ねー」
「なー」
被った・・・気まずいな~
「なあ?」
来た・・・
「んー?」
何を言われるんだろう。オレンジジュースをちょっと飲む。
無駄に冷たく感じる。
「りんごは、りんごはどうしたい?」
私は、私は
「もう、終わりにしたい。」
「それでいいねんな?」
いっぱい悩んだ結果。
「うん。もう止めよう?終わりにしよう?
アキの負担になりたくないし、私も将来が見える人と居たい。
今は、居ないけど。」
これでいい。
これが最善だから。最善なんだから。
好きなだけじゃどうにも出来ないことだってある。
「・・・はぁ・・・。りんごさ」
「なに?」
泣きそう。
やっぱり、まだ一緒に居たい。けど離れたい・・・。
もう、訳わかんない。
「りんご?本音で話せ?」
本音?本音なら言った。
「本音なら言ったじゃん。終わりにしたいって。」
これが本音なんだ。
「じゃあ。なんで泣きそうな顔して言ってんだ。」
そんな顔してたんだ・・・。
けど・・・
「なら!!ならアキはどうしたいの!?アキは何を望んでんの!?」
「俺は、こんな立場で言っていいことじゃないけど、お前と居ると楽しいし、落ち着く。
けど、家庭もある。お前がいいなら、続けたい。ただ、今迄みたいに頻繁には会えないし、電話も出来ない。
正直、嫁もまだ疑ってる。だから3ヶ月に1回位しか会えないと思う。ほら。りんごは?
ちゃんと言って?」
「終わりにしたいのは、本当。離れたい。
でも、やっぱり・・・アキのことは好き。一緒に居たい。
けど、結婚だってしたい。して欲しい訳じゃないけど、
アキ離婚する気はないでしょう?だから・・・他の人に出会いたい。
嫌いじゃないから、3ヶ月に1回でも会えたらうれしいよ・・・」
「そっか・・・確かに離婚は多分しない。」
「でしょ・・・。一緒に居たいよ。続けたい。けど、私は彼氏が出来たらすぐに離れる。
アキを利用することになる。」
「うん。ずるいけど、俺はリンゴと居たい。りんごは?」
「一緒に居たい・・・です。アキずるい・・・」
「うん。ごめん。本当なら、りんごのいうように別れるのが
いいんだろうけど、」
「そんなの言ってたらキリがないから言わない!」
♪PPP・PPP
「あーごめん。」
「うん。お嫁さん?」
「そう。・・・・早く帰ってこいだって。」
「そっか。じゃあ帰ろう。仕方ない。」
「まだ大丈夫やけど」
「今以上に怪しまれても困るから。行こう?」
「ごめんな」
新大阪駅で
「またね」