今日紹介するのは、コメディ2作品。

主演作ではないのだが、かなり存在感があるのでトムファンは絶対に観なくてはいけない。

 

 

早速ひとつめ「トロピックサンダー/史上最低の作戦」(2008年)

 

 

 

コメディ俳優、ベン・スティラーが監督脚本主演を務めた、ハリウッド映画の世界を徹底的に批判し皮肉った作品。

まずストーリー設定だが、戦争映画を撮るつもりが本物の戦争に巻き込まれてしまった。これは、撮影現場がうまく行かずさながら戦争映画が戦争と化してしまった「プラトーン」を彷彿とさせる。

そしてキャスト。一人目のロバート・ダウニー・ジュニアが演じるのは、役に入り込みすぎて現実との境目がわからなくなってしまった、いわゆるメソッド俳優のダニエル・デイ・ルイスと、アカデミー俳優にもかかわらず私生活では酒と暴力で問題児のラッセル・クロウがモデルである。

 

 

これがロバート・ダウニー・ジュニアよ!

皮膚移植までして黒人になりきるメソッド俳優のため、声の出し方までなりきっていた。

 

二人目ジャック・ブラックが演じるのは、1人で何役もこなし、お下品ネタを売りにした「ナッティ・プロフェッサー」のエディ・マーフィーを模している。

三人目は、アルパ・チーノという名(笑)の、「スカーフェイス」のアル・パチーノに憧れた黒人ラッパーで、音楽で売れなくなると俳優に転向するラッパーの現状を皮肉る。

四人目のベン・スティラーは、筋肉を強調した落ち目の俳優を演じており、この映画のジャケットは明らかに「コマンドー」のアーノルド・シュワルツネガーである。

 

 

・・・・ここまでがこの映画の設定の部分。なかなかジョークがキツイので、このあたりのギャグがわかっていないと楽しめないと思う。

そしてこれはコメディという隠れ蓑の下に、お金やプロダクションのあり方や、俳優を含めた人間の使い方等、ハリウッド世界のとことんいやな部分を容赦なく描いている。

 

さて、トムはというと、極悪プロデューサーを演じているのだが・・・

言われなかったら果たしてトムだと気づいただろうか。特殊メイクで見た目は全く違うし、とにかく美しいトムが絶対に言わない言葉を連発し、下品なダンスを踊るのだから、この俳優の底知れなさを感じる。とにかく秀逸すぎてこのダンスだけ何度もリピートで見れるレベル。

検索したら写真はたくさん出てきてしまうが、ここには貼らないでおこう。実際に映画を観て是非確かめてほしい!

 

 

 

お次は「ロック・オブ・エイジズ」(2012年)

 

 

なんとついにミュージカル作品にも登場するトム。ジャンルでいうともうホラー意外は全部出てるんじゃないか、トムよ。

この作品でトムは落ち目の元伝説のロックスターを演じているのだが、これがもう完璧にハマっていた。実年齢でもトムはもうこの頃50歳近いわけで、それでも美しい顔面や鍛え上げられた肉体は見事な上に、哀愁や色気を伴ってこの時期のトムにぴったり過ぎる役だったと思う。

 

 

そして何よりも、こんなに歌えたんだ、トム!しかもロックが似合うじゃないか。

とにかくこれも実際に映画を観てその素晴らしい演技と歌唱を堪能してほしい。

 

ちなみに思いがけず素晴らしく良かったのが、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ。

 

 

コメディ演技も最高な上に、「シカゴ」仕込みの歌唱とダンスをここでも惜しみなく披露。

 

 

 

アイドル時代を経て、実力派俳優での地位を築き、そして本格アクション俳優として確立したトムが、ここに来てコメディと歌という新たな武器を出してきた。

そんな無敵俳優トムの、新たな一面を知れる映画2本を是非!