この少年の瞳の奥に、ハネケの答えがっ!!
第62回カンヌ映画祭で、パルムドールを受賞した(してしまった??)
ミヒャエル・ハネケ監督の超問題作
『白いリボン』
僕はこの監督の作品は今までに1つしか観ていません。
その映画はものすごく後味の悪い、消化不良と胃潰瘍を同時に引き起こす
ような内容だったのですが、ハネケ作品はどれもそんな感じらしいと
後で知って、なるほど確信犯かよっ!!と思ったモノです。
、、、そんな予備知識を持って挑んだ『白いリボン』。
第一次大戦前のドイツの小さな村で起こった奇妙な日常を、モノクロームの映像で
淡々と綴っています。
たくさん出る子供のキャラもみんな立ってます!
あえてストーリーは省きますが、次第にエスカレートする奇妙な出来事、
妬みや嘘、正常と異常、思春期の微妙な心情、それらすべてが渦となり
さまざまな謎を残したまま、、、エンドロールが流れます(笑)。
これが普通の映画だったら、カメラワークがだんだん激しくなって
どんどん勢いがついてくるのですが、ハネケはマイペース。
せいぜいカメラを左右に振る程度の感じなので、常にぼ~っと
突っ立って、傍観しているような錯覚に陥ります。
(これがいわゆる『かなり眠くなる!!』と言われている理由では?)
おまけにサントラというよりも挿入歌もないため、演奏シーン以外での
音楽はいっさいなし!(失笑)
次のカットに入るまでのタメも異様に長いので、普段の映画を観る感覚
ではなかなかついていけないかも、、、。
でも僕は2時間半、ず~っと食い入るように観てました!
この作品で描かれているのは、人間のオモテとウラ。
表面上は人格者で威厳もあるけど、裏ではタブーを犯してる。
オトナの前ではイイ子ちゃんでも、知らないとこでとんでもないこと
してる。
ハネケはそれについて答えを出すのではなくて、淡々と描く事によって
逆に観客に強い印象づけをしているような気がします。
小さな恋のメロディ♪的なのもあるでよ♥
時代性や当時の思想、また宗教的な部分をおさらいしてから観ると、
もっと楽しめると思います!!
ハネケ監督。その佇まいからして、すでにただ者ではない、、、