仕事を終え電車に乗った。
小さな小さな可愛い男の子(小学1年生くらいかな)が、
ハッとした表情で飛び起きる。



ここは、僕の知っている場所じゃない…。
この世の終わりな表情。



電車、無情にも動く。

後、男の子、フテ寝。





小さな小さな可愛い男の子、
どうやら寝過ごしてしまった様である。




フテ寝から起き、
電車の中で次の駅、
周りをキョロキョロ。
やっぱり、ここも僕の知ってる場所じゃない…。


周りの乗客も、
男の子がどうやら寝過ごしてしまった事を理解し始めている…。

そして、男の子、
この世の終わりな表情のまま、
閉まりかけの扉から、
ヒョイと電車から降りてしまう。




私はいても立ってもいられず、
男の子に続いて電車を降りた。



男の子、降りた駅ホームで、
周りをキョロキョロ。






私、
男の子の目線に合わせて声をかける。




どうしたの?
本当はどこに行きたいの?








シカトである…。




そりゃそうだ、だって知らない人だもんな。







でも、私はめげずに声をかける。



私、
本当はどこに行きたいの?



小さな小さな可愛い男の子は、
目に涙をいっぱいためて、




間違っちゃったの…。涙
本当は◯◯に行くの…。涙





私、
◯◯で、誰かと待ち合わせしてるの?



ママと待ち合わせしてる…。涙


私は予定を変更し、
じゃあ一緒に◯◯に行こう!
と、伝える。


男の子は、
私には頼らない!っといった風貌だけど、
1人ではとても◯◯に向かえない精神状態にみえた。


男の子は、私を当てにはしてないけど、
一緒に電車乗ってあげるよ。
僕、迷ってるし…。と、いった感じ。





2人で電車で移動中、
人の多い駅での乗り換えで、
はぐれちゃいけないと思って、
私、男の子と手をつなごうと腕のあたりに手をおくと、




私のその手、はらわれる…。





うん、そうだよね。

知らない人だもんね。



男の子、ここまでで1度も目も合わせてくれない…。





ま、そうだよね。


だって、知らない人だもんね!!!








私、もしかして誘拐犯に間違われないかな…。
みたいな2人の空気感。









いまどこ?ママ

息子が、待ち合わせ場所に時間になっても現れないから、超心配のママ。



ママからのメールがバッスンバッスン来る。




人の携帯を覗くのはあまりよくないと思っていたが、状況が状況だったので、ママのメールに、




今、◯◯向かってるよ!




って送って。と、お願いする。




男の子、動揺が隠しきれず、誤字脱字でメール返信。




ママ、そっち行くから今どこにいるか教えて!!!



男の子、
今☆☆にいる!



ママ、
じゃあ、ママ☆☆に行くから、
そこで待ってて!!!



電車の中からのメール。



もう☆☆は通り過ぎている…。





男の子、
必死でメールを返す。

もう◯◯につく!!!




ママ、
じゃあ、6号車の前のお店のところにいて!!!








とりあえず、
なんとかもとの待ち合わせ場所。
◯◯に到着し、
ママ指定の、
6号車お店前に着く。




が、ママはいない…。







男の子、この世の終わりMAX!!!







男の子、それでもママを探そうと、
ホームをつっぱしる!!!

人が多い帰宅ラッシュの時間帯、
私も男の子を見失わないようつっぱしる!!!



ママも必死で僕を探しているはず。


私もママを必死で探す。










小さな小さな可愛い男の子の、
妹さんと思われる女の子の泣き声とともにママが現れた!!!






やった。よかった。








男の子、なんでこうなったか、
間違っちゃったのかママに伝える。


ママ、超心配してたと思うけど、
男の子から状況を聞いて、
なんで連絡しないの?
っと言っている…。

が、一安心。



ママ、私に何かお礼を、と言いかける。



そんなものはどうでもよくて、

男の子がママに会えたから良かったです。
と伝えてその場を去ろうとした時、


ママが男の子に、
私、茜に、
ありがとう!って言いなさい!
って促されて、



男の子は、
最高の安心を手に入れて私に

ありがとう!

っと言ってくれた。






いい笑顔だった。






もしかしたら、この男の子、
1人でも◯◯に行けたのかもしれない…。



でも、私は、
男の子の安心した顔が見たくて
一緒に◯◯に行ったんだ。










本当に、よかった♡


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写真は、本編に全く関係ないペルーチョンティとゆうコーヒーと、
今ハマってる、コーヒー&エスプレッソケーキクレームブリュレ♡