合格した。
最も行きたかった私立大学に。
3月の終わりというギリギリの時期に合格した。
自信はあった。
根拠はなかったけれど。
いつもそう。
根拠のない自信が沸き起こってくる。
一人暮らしをする。
大学は東京にあるのだけど、東京は家賃が高い。
ということで、隣県の神奈川県に住む。
多摩川にほど近いアパート。
風見鶏が立ててあるのがかわいくて、ここに決めた。
真ん中の白い階段を隔てて左右に1部屋ずつある。
私の部屋は、階段を上って右手。
6畳一間。
生まれて初めての一人暮らし。
不安はない。
何時に帰ってきても怒られない。
部屋が散らかっていても怒られない。
深夜番組を見ることができる。
楽しみでしょうがない。
不安はない。
大丈夫。
引っ越しの日、母が手伝ってくれた。
入学式の日、母がついて来てくれた。
大学生にもなって…って思ったけど。
入学式で誰一人とも話すことができなくて、ものすごく不安に駆られてた時に、母がいてくれたことはとてもありがたかった。
何も聞かず、「夕飯何食べよっか?」ってデパ地下で一緒にぐるぐる歩き回った。
泣きそうになったから、母の後ろにくっついて歩いた。
これから先、友達出来なかったらどうしよう。
上京して初めて不安になった。
次の日、母が実家に帰ることになっていた。
不安よりも期待で溢れていたから母の気持ちに気付けないでいた。
「じゃあね」って言ったあと、
母は、
堪え切れずに、
泣いた。
母の声が震えていた。
これまで、母が泣いたことはあったかもしれない。
でも、このとき、なぜか、初めて泣いた。と思った。
だから、
わたしは、
頑張ろうって決めた。
何を頑張るのかは分からなかったけど。
真面目な、ちゃんとした、大学生になろうって決めた。
一人暮らしを始めたときの気持ち。
今から8年くらい前のお話。









