気ままな僕が、突然長々と書く文章を君が受け入れると思っているわけじゃない
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僕はなんとか、待ち合わせの時間に間に合った。

「よお!」

後ろから声がして、振り向くと、そこには蔵野がいた。こいつは、同じ中学の同級生で、スポーツ万能、学年でもトップクラスの成績をとっている、いわばエリートというものだ。が、しかし一つだけ欠点があって、こいつは酷すぎる程にモテない。スポーツも出来て頭も良い、ルックスだってまあまあな方で、モテる要素がないわけじゃない。ただ、なにか魅力がない。人を引き寄せるようなオーラがない。僕にはそう感じた。

「腹減ったから、飯行こーぜ」

僕らは待ち合わせ場所から5分程歩いたところにある、定食屋に入った。

「なあ、蔵野ここ少し高くないか?」
「気にするこたあねえよ、今日は俺の奢りだから好きなもん頼めよ」
「お!本当か」

僕は嬉しくて蔵野の方に顔を向けた瞬間、物凄い光景が目に入ってきた。

「時沼…?」




時沼と見知らぬ男が僕たちの2つ離れた席で仲良く定食を食べていた。

「おい、どうしたんだよ、そんな目が点になって」

「い、いやなんでもない。すまん。あ、おれ生姜焼き定食にするよ」

「そうか。すいませーん。注文お願いしまーす。」

危なかった。今僕が見た光景を蔵野の目に入れるわけにはいかない。なんせ、蔵野はとても口が軽い。こんなフライデー的なスクープを蔵野が黙っておくわけがない。一週間もしない内に学年全員に知れ渡るはず。
なにより長沼の耳に入れるわけにはいかない…のか?それとも長沼に報告するべきなのか?どっちが友達として最善なのだろうか。
このまま報告せずに、いつも通りに過ごしたとしても、この事を知らない長沼を見続けていくのは僕は辛い。しかし報告したとしても、これまでの僕たちの日常生活が崩れてしまうかも、長沼と時沼の微笑ましいほどの仲良しさがもう見ることができないかもしれない。。。

「いや、待てよ?」

僕は思った。そもそもあの見知らぬ男は、時沼の、なんなのだろうか。もちろん浮気相手だったら最悪で、しかしそれ以外だったら?単なる友達かもしれない、親戚かもしれない、そういった思考の幅が広がり、僕は少し気が楽になった。

「ふー。あ、」

つかの間のことだった。



時沼と見知らぬ男が唇を交わしていた。