私の母ヒデコであるが、あまり愛想の良い顔ではない。綺麗か、綺麗でないかの話とは別に、表情は若干乏しいと思う。
「母は、何に笑うのか」
お笑いのテレビは、何でもヒックリ返って笑っている私なので、テレビを見てもあまり表情を出さない母を見て、そんな事を思っていた。
えーと、テレビで、笑っていた時は…?
あ!あった!
志村けんさんの「バカ殿」だ!
「怒っちゃやーよ!」
で、大爆笑している。
なーんだ普通に笑うじゃないか。
少し安心した。
あとは父の姉である私の叔母と話す時も笑っている。
「叔母さんの信者だからなあ」
叔母が笑えと言えば母は、笑うだろう。
でも好きだから愛想笑いではないし。
だいたいこうやって笑う場面をわざわざ思い出さなければいけないなんて、どんな人だ。
そんな母の「笑うシーン」。
少し汚い話だけど、う⚫️こした後に、『あー!スッキリした!』と言ってトイレから出て、ニコニコ笑っている。
その感覚は、私にもあって、大物を産み落とした時の爽快感は最高である。
しかし夫は毎日排泄していても
「そんなスッキリ感はない」
と言って、こっちがおかしいみたいにいうのである。
元々母と「顔が似ている」と言われていて、更に、腸内環境まで似るなんて…。
確かに「ウヒョー」と言ってトイレから出てくる私の顔は、母そのものなのである。
自分もおかしいくて笑えるが、その母娘の酷似に夫は、もっと笑い転げていた。