仕事を終えて家に帰るとき、今日はちょっとだけ自分にご褒美をあげようと思った。
特別なことがあったわけではないけれど、そんな日があってもいい。
コンビニに立ち寄り、目に入ったのはかわいいニワトリのイラストが描かれたテイクアウトボックス。
いかにも「揚げたてですよ」と言わんばかりのパッケージで、思わず手に取ってしまった。
レギュラーサイズのフライドチキン。こういうシンプルな食べ物ほど、なぜか無性に食べたくなる瞬間がある。
もう一つ、棚で目に入ったのが黄色い缶のスパークリングワイン。
炭酸がシュワっとしていそうで、仕事の後の一杯にはちょうど良さそうだ。
しかもアルコールは少し強めの7%。今日はゆっくり家でくつろぐつもりだったので、これくらいがちょうどいい。
家に帰り、テーブルの上にチキンの箱と缶を並べてみる。
ふと見ると、チキンの箱のニワトリと、これから食べられるチキンの関係を想像してしまい、少しだけクスッと笑ってしまった。かわいい顔をしているのに、中身はしっかりフライドチキンというギャップも面白い。
缶を開けると「プシュッ」という音とともに、細かい炭酸の香りがふわっと広がる。
グラスを使うのもいいけれど、今日はそのまま缶で飲むことにした。
ひと口飲むと、爽やかな炭酸とほのかな甘さが広がり、思わず「うまい」とつぶやいてしまう。
仕事で少し疲れていた体に、このシュワっとした刺激が心地よい。
続いてチキンの箱を開ける。ふたを開けた瞬間に広がる香ばしい香り。
やっぱりこの匂いは反則だと思う。食欲を一瞬で刺激してくる。手に取るとまだほんのり温かい。
かぶりつくと、外はサクッとしていて中はジューシー。
油の旨味と塩味が絶妙で、そこにスパークリングワインを流し込むと、口の中が一気にリセットされる。
この組み合わせ、意外と合う。フライドチキンにはビールというイメージが強いけれど、
軽めのスパークリングワインもなかなか悪くない。
むしろ、炭酸の爽やかさで油っぽさがちょうどよく流れてくれる気がする。
何気ない夜だけれど、こういう時間が実は一番贅沢なのかもしれない。
高級レストランでも特別な料理でもない。ただコンビニで買ったチキンと缶のお酒。
それでも、仕事を終えた後の静かな時間の中で味わうと、十分すぎるほど満足できる。
ふとテーブルの上を見ると、黄色い缶とニワトリの箱の色合いがなんだかにぎやかで、
ちょっとした居酒屋気分になっている。
家のテーブルなのに、不思議と外で飲んでいるような気分になるのも面白い。
忙しい毎日の中で、特別なことをするのはなかなか難しい。
でも、ほんの少しの楽しみを自分で作ることはできる。
コンビニで好きなものを買って帰るだけでも、立派な「自分時間」になるのだ。
そんなことを思いながら、最後のひと口のチキンを食べ、残りのスパークリングワインをゆっくり飲み干した。
今日も一日お疲れさま。明日もまた頑張ろう。
そう思わせてくれる、ささやかな夜のひとときだった。
