ドル円は6/18現時点で158円に差し掛かろうとしています。

 

要人の発言には将来的に160円台になるのも近いと言われており、このままでは日本円の価値がなくなってしまうのではないか?との声が多数出ています。

そんな中今後は円安危機がどうなるのか根拠も含めて説明していきたいと思います。

 

 要旨

 

  • 日経平均は先行き12ヶ月28,000程度で推移するだろう。

  • USD/JPYは先行き12ヶ月150程度で推移するだろう。

  • 日銀は、現在のYCCを少なくとも2024年までは維持するだろう。

  • FEDは、2022年は毎FOMCで利上げを実施。利下げは24年半ば以降だろう。

 

 金融市場

 

  • 前日の米国株は休場。米国先物は概ね横ばい、欧州株現物は大幅安。

  • USD/JPYは150後半で一進一退。

 

 注目点

 

  • USD/JPYは節目の140円を突破後、すぐに150円も突破。私が従来分析してきた128円という見通し(先行き12ヶ月)は今や極端な数値になりつつあることから、水準を調整し133としていたがそれも束の間だった。Fedの金融引き締めによってドルの魅力が増す中、日本政府の為替介入(ドル売り・円買い)と日銀の金融引き締めのどちらも想定しにくく、投機筋は安心感を持って円売りポジションを膨らますことができる。ドルが主要通貨に対して全面高となる中、当面のUSD/JPYは160もしくは150を明確に上回る水準で推移しても不思議ではない。もっとも、Fedの金融引き締め終了を見据えて、現在の水準よりも円高方向に回帰するとの見方は維持していきたい。

 

  • 政府と日銀は過去の経験や現在のドル独歩高の状況に鑑みて、為替介入や金融引き締めで円安トレンドを反転させるのは難しいと考えているだろう。為替介入は期待される効果が乏しい上、国際的な立場が悪くなるという犠牲を払う必要がある。金融引き締めは国内景気減速という代償を払う必要がある。

 

  • 仮に円買い・ドル売りの為替介入があった場合、その規模は小粒になる可能性が高い。ドル売り介入の原資となる日本の外貨準備高は総額こそ約1.32兆ドルと巨額であるが、そのうち約1.06兆ドルは外貨証券(≒米国債)であり、円買い・ドル売り介入に即時利用可能とみられる外貨預金は0.14兆ドル(約19兆円)に過ぎない。外貨預金を使い果たした後に更なる円買い・ドル売り介入を実施するには米国債の売却が必要になる。その障壁が大きいことは火を見るよりも明らかであろう。インフレ抑制の観点からドル高を歓迎している米国を刺激してしまう恐れがあるほか、日本の米国債売却が米金利上昇を誘発し日米金利差拡大を助長するとの連想が生じることで逆噴射にもなりかねない。為替介入の費用対効果は決して魅力的とは言えない。
     

  • 金融引き締めは、ECBによる大幅利上げ方針のユーロですら1ドル(パリティ)を割り込む状況であるから、日銀がマイナス金利を撤回したり、長期金利の誘導目標を引き上げ・解除したりする程度で円安が止まるとは考えにくい。通貨防衛的な利上げをするなら、Fedに勝るとも劣らない年間3~4%程度の幅が必要となり、明らかに非現実的である。

 

  • 円安トレンドの反転は専らFedの政策転換に依存すると考えられる。それが一時的ながら発生したのは6月中旬から7月末にかけての米金利低下局面。USD/JPYが131台(8月1日)まで下落したその背景にはFedが2023年前半に利下げへ転じるとの見通しがあり、(当時を起点に)数ヶ月後にはFedがハト派傾斜していると自信を持つ投資家は多かった。筆者もその一人だったが、8月に入ってからデイリー・サンフランシスコ連銀総裁やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁といった元ハト派の高官が利下げ観測を一蹴し、ジャクソンホール講演でパウエル議長がダメ押しの一撃を加えたことで2023年前半利下げ観測は消失。それに伴いUSD/JPYが再び140に戻った経緯がある。

 

  • 同様の展開が次に訪れるのはFedが「利上げ幅縮小」の理由を説明する時だろう。現在の利上げ幅である75bpを50bp、そして25bpに縮小する際は「インフレが最悪期を脱出した」あるいは「景気への配慮が必要」などといった理由を挙げる必要があり、そうした政策態度の変化がドルの先高観を抑制するだろう。具体的時期としては11月FOMCが想定される(筆者は9月FOMCの利上げ幅が75bpになると想定)。利上げ幅縮小に伴いターミナルレート(政策金利の頂点)の予想が安定すれば、ドル全面高の展開は終了し、USD/JPYの上昇トレンドも一服すると考えられる。
     

 

終わりに

以上、私の考察では円安トレンドも収まり、ひとまずは事なきを得ると見ています。

ただ円安の危機はいつ起こり得るかわかりません。自分の資産をドルに変えておくなどリスクに備えての資産運用をオススメします。私は自身の貯蓄の9割はドルに毎月替えており、残りの1割を日本円で貯金として持っています。

 

 

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