脱北して韓国へ来ている約3万5千人は、北朝鮮の北側の鴨緑江と豆満江を渡って第三国を経由して来た。そして、極少数の人は、海を渡って来た人もいる。脱北する時、見つかれば射殺される場合もあるし、捕まれば教化所(矯導所)に送られる。

 

豆満江を渡っている(引用:韓国「自由アジア放送」サイトから)

 

特に韓国行きの脱北者だというのが分かれば、間違いなく教化所行である。教化所は死の労働監獄だという。

ここでは詳しく説明しないが、教化所に収容されている人は、人間扱いをしていないという。脱北者は、教化所がどんな所かは、脱北案内人であるブローカーか、噂を通じてほとんど知っているようだ。

 

ですので、脱北者は、北朝鮮の警備隊に見つからないように警戒する。そして、鴨緑江と豆満江は浅いところもあるが、時と場所によっては、深いところもある。そして、冬期に氷の上を歩くときは、氷が割れれば、大変なことになる。

海を通して来る人も同じである。何人かは、泳いできているし、一部の人は船に乗って来た人もいる。

海で波と戦かいながら、北朝鮮の警備隊にかからないようにする。だから「天地神明(神)よ。私が無事になりますように!」と祈った人も多いという。

 

北朝鮮では、宗教にたいして教育をしていない。特に、キリスト教でいう「神様(ハナニム)」を言えば、その人も、教化所に送られる。

 

多くの脱北者は、自分も知らないうちに「神」もしくは「天地神明」もしくは「天」に祈った人々が多いようである。

 

日本に住んでいる我々は、宗教に接する機会がある。しかし、北朝鮮のように厳密に宗教に対して制御している社会で育てられた人が、切羽詰まった時、どうして神を縋(すが)るのか。