超長くなってしまいましたが、カオスだなと思っている現状について書きました。
今に始まったことではありませんが、今後更にぐちゃぐちゃになりそうな気がいたしますので一旦自分の中の整理をするためと、数年後に見直すために。

特定の団体から里親になられた方やペットショップから迎えられた方を責める意図はございませんが、万が一そう受け取られる方がいましたらごめんなさい。

動物愛護の過渡期における私の感じている違和感とか私なりの注意点などを備忘録として残しておきます。


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「一人あたりの上限頭数を決められたら引退犬を手放さざるを得なくなる!」という業者の主張と、その矛盾点について書かれたsippo記事です。

「引退犬を保健所が引き取らなくなったから困る」(後述)とのご意見をJKCが出していたほどなのに、その道理が通ると思うことに驚きです。


以下の内容と関連のある記事だったので引用させていただきました。

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こちらはfbの広告で流れてきたサイトです。
こういうの今後更に増えていくはず。。

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数値規制についてたくさんの人たちが発信され動かれていて本当にすごいことだなあと思いますおねがい

ですが、個人的には「繁殖引退犬を積極的に里子に出そう!」という声が高まりつつあることを懸念しています。

『リタイア年齢が若ければ里親が決まりやすい』というのが数値規制とセットでよく耳にし目にする文言です。

わかるんです。苦痛を味わわされた子たち、最後は一般家庭で幸せを噛みしめてほしい気持ち。
だけど本当は苦痛なんて1度も味わわせたくなんかない。
せめぎ合う気持ち。。。


上記広告のコメント欄には
"保護犬だから安価で手に入る""純血種がいる前提"の意見もあり、
なんだか雲行きの怪しい不気味な感覚に陥ります。

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そもそもこれまで繁殖業者から引き取りを続ける保護団体は下請け愛護などとも呼ばれてきました。

JKC=ジャパンケネルクラブの永村武美氏(農水省出身)は「引退犬を保健所が引き取らなくなったから困る」「終生飼養を、と言うんなら国がお金を出してくれ」と言いました。
日本の犬業界を牛耳っているJKCの上層部の犬に対する考え方がまさしく"もの扱い"です。
組織は、上の考えが下に伝播していきます。

(現に数値規制反対の署名やハガキアクションは、「名を連ねないとシフトを減らす」などの脅し・パワハラによりバイトレベルにまで徹底されている、というリーク情報を発信している人もいる。)

永村氏のいう「保健所」の代わりを、民間の里親さんたちが担うのはちがうのではないか…と私は思っています。
また、一部の業界の尻拭いをするために国が動くと言うのももちろんおかしいことです。

そもそも保護犬保護猫の出処は、ペットショップ由来のところばかりではないのです。
むしろ全体から見たら少数なんじゃないか…。

問題の根元を辿れば、もちろん生体販売に行き着きますが、野良猫や野犬、ネグレクト、多頭崩壊…など救わねばならない犬猫は既に溢れておりキャパをオーバーしている状況です。
(国全体で=だから殺処分がある)。

そんな状況のところに『繁殖リタイア犬猫』を『保護犬猫』と称して大量に登場させることは弊害を伴うことだなと思います。

今ですら。
「悪徳業者からレスキューしました」「こんなのゆるせない!」と、かわいそうな画像を見せてお金集めをする団体がいます。。

一般論で言えば…
ゆるせない!のならばその繁殖屋が継続するお手伝いなど本来ならしちゃならないと思います。

(中にいる犬猫がかわいそうだから…、
また、あくまでも私の想像ですが中で殺処分されている可能性を考えると…、
手を出さざるを得ないというのは現場に行けばそうなってしまうにちがいないし、とても矛盾した言葉にはなってしまうのですが…⤵︎)

中の写真を撮り業者の言葉を記録し、保健所立ち会いで入り、もしくは世間に公表して、廃業につなげていくことが同時にできたらいいのにな、と思います。
それをやると繁殖屋との信頼関係(のようなもの)が崩れてレスキューができなくなる…というところと、そもそも現行では"どう見てもネグレクト"が"虐待と認められない"(だから客観的指標である数値規制が必要とされる)という問題が立ちはだかる…。

繁殖させてきた犬猫はせめて自分の子として生涯面倒をみるのが筋ではないか(命を扱う仕事なのだからそれができるところしか手を出してはならない聖域なのではないか)、と私は強く思うが、
"生体販売業界が愛護団体や国を介さず自分たちで里親(?)を見つけることがせめてものCSR…"であると、今後自分の意識を変えていかねばならないのだろうか…🤔???

ただこれ(anifare)、【里親募集サイト】となっているから、『里親をつける』という表現になるけど、『販売』に他ならない気がしてならない。

今、全国のちゃんとした愛護団体がやっているような適正譲渡のやり方を、"里親募集"とはいうが実質"販売"の…(避妊去勢もしてるかどーか怪しい)勢力が崩していくと思うと、そしてこんなのがスタンダードだと認識されるようになってしまうと、また(ちゃんとした)愛護団体の譲渡条件は厳しい、と言われるようになってしまう。

その昔。里親応募してきた人に住所を求めるだけでキレられるなんて時代もあった。
「殺されるかもしれなかった子を助けてやってるのに金を取るのか」などの言葉をかけられることも(※譲渡時に医療費などをいただく)。
そこから少しずつ変わってきて、やっと今につながっている。
ペットショップが大手を振るう時代の中で本当にがんばられていた方々を知っている。
殺処分数が30万頭超えの時代に、保健所から心を痛めながら命の線引きをして引き出しては、当時から生体販売していないペットショップで譲渡会を開いていた人たちを。

こうやって『適正譲渡』やセットで行われる(ことの多い)『啓蒙・啓発』、なにより『蛇口を締める活動』が広まってきているところをかき回されてしまうのは本末転倒なのです。

繁殖業者が続くかぎり、そこからの引き出しは蛇口を締めることにはならず、むしろ空いたスペースに新たな繁殖可能の子が入れられて蛇口は開きっぱなしまた犠牲が続いてしまいます。

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日本人はブランド犬種が好き。
ブランド犬種の方が正だと潜在的に思ってしまう層も珍しくはありません。
雑種や野良猫を「汚い」とか「価値がない」と言い捨てる人もいます。いまだに🙄
また、目の前の事象に疑問を抱かない人もたくさんいらっしゃいます。

ブランド種の保護犬猫が、日本の犬猫好き・これから飼育者になろうとする人たちにどんな風に影響していくのか。

このサイト(anifare)のいいねの数とかコメントを見るとなかなかに憂いてしまえる。

そして、anifareの代表者=ペッツファースト(大手ペットショップ)の取締役でもありました(今は不明)。
このペットショップには保護犬の「陳列」があり、ある店舗にいた保護犬はラブファイブ経由だとかそーでないとか🙄

ラブファイブ=『ピンクのゴリラ』というペットショップを経営するハルズコーポレーション株式会社の上層部にいた人物が立ち上げた『下請け愛護のはしり』…と勝手に私は呼んでいます。
保護犬カフェというのを何店舗も展開しています。
立ち上がった時から"業界の人が始めた愛護団体"としての存在を存じておりましたので妙に思い入れがあります…ニヤリ

記事中の岸大輔氏は、
平成22年(2010年)の中央環境審議会動物愛護部会にてハルズコーポレーション株式会社の常務として発言されています。
『ピンクのゴリラ』というのは深夜営業をしていたハルズコーポレーションのペットショップです。
★ハルズコーポレーション株式会社:ペットショップや動物病院、ペットホテル・トリミングサロンなどを「wan group」として経営。
ペットショップ名:ペットスーパーワンやペットショップワンなど。
(ピンクのゴリラという名称のお店は現在ないと思われる)



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以下に示しますが、業界と愛護の間に立とうとしている団体も出始めています。

耳触りが良いのです。
とても良識的に見えるのです。

だけど現状は。
パピーミル容認の業界など許すべきではなく、
複数の愛護団体が、体制が疑問視されるピースワンコに公開質問状を突きつけたように、
愛護・業界の対立構造をなくすより先に、
生体販売業界が業界のあり方を問題視し正していく姿勢がまず求められるのではないかと私は思います。

また、愛護vs業界になってしまうのは当たり前のことで、命の売買など倫理的にもおかしい商売とその尻拭いも含めて活動している愛護側(しかも一般の方からは「ボランティアのくせに…」などと言われてしまう。どうぶつを助けたくてがんばっているのに手が足りない人たちに向かって)。

双方を近づけようと架け橋を作ってくださったとしても、愛護側にとって業界側へ渡った時の着地点がないのです。

逆に業界側は、雑な動物愛護活動をしてるふりができてしまいます。

"問題は『殺処分ゼロ』だけ"かのような見せ方をして、
「ブリーダーから引き取りました」「売れ残りの子を譲渡します」「殺処分を少しでもなくすために努力します」と、美しい言葉とエピソードで飾った子たちを保護する施設を作ってしまうのです。

ほんの一例ですが、
前述のペッツファーストもクーリク(▶︎参照)も、ペッツポップ(保護犬猫を扱うペットショップと銘打っている…)も、いろんなところがやっています。。。

問題を共有し、一緒に解決しようとする立場にいると、"問題の根源がまさかそこであるとは思われない"イメージを作るという戦略でもあります。

それを見て「いいことしてるからいいペットショップ✨」と思ってしまう人たちは意外といます。


愛護側と業界側、今は対局でいいと私は思うのです。
(一個人の意見です。そして罵り合いはこの世界でなくても意味がないと思っております。愛護同士でもよく見る…)

「パピーミルOK」「体高×1.1でOK」「不要になった犬はどこかにやりたいよ」「犬猫を助けるより利益のために生ませて売るべきとする姿勢」の業界とあい入れることなどないのです…。

まずは自浄です。でも決して全国ブリーダー協会のようにブリーダーの生活を守るための見せかけの自浄ではなくです。

一般の方たちの感覚がどちらに傾くか…のシーソー状態でよいと思うのです。

業界が優良ブリーダーしかいない世界になったらやっと真ん中に立つ団体がいてもバランスが取れるようになると思う。

同時に愛護側もおかしな活動してる愛護には意見していかなきゃいけない。
数値規制は業界だけに適用されるものではありません。

以下は、愛護と業界の架け橋役をやろうとされている団体です。
中立とはいいながらも、業界寄りであると私は思います。

業界の代弁者として動きたいとされています。
『人と動物の共生の実現への想いにとても強い志を感じて』いるそうですが、
"健康寿命を延ばす"などのふれ込みでターゲット層に高齢者を含め、越村氏のおっしゃった「業界全体の売り上げ」を考える志は確かに高いかと思いますし、
ホビーブリーダーは業として登録しなくてよい(=数値規制の対象とならなくてよい)ように動かれている姿勢には執念のようなものまで感じますが、
犬猫のことを想う心は、残念ながら私には感じ取れません。

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最近、愛護系のシンポジウムやコメンテーター、著者などさまざまなところで活躍されている代表の奥田順之獣医師は、
犬猫適正飼養推進協議会(※)の自主基準ガイドブックの監修もされております。


またこの獣医師の作成した“獣医師向けアンケート(1ページ目のみ)”、結果の回答を読むに業界に都合の良い解釈となるような誘導があったように見受けられます。