本当は、『純血種』なんて言葉はいらないと、私は思います。


◼︎その種を残すために人間が介入しなければ!と主張する人たちがいるからです。

今の日本の犬猫界全体を見たときに、

たとえば殺されている数・場所・方法・関わっている人間・伴う職業など目を凝らしても判然としない部分もあるほどなのに、

もっとさらに数を保たなければ、増やさなければ、と躍起になる思想がよくわからないのです。


最近ではザギトワ選手に犬をプレゼントした「秋田犬保存会」なども話題ですね。


ザギトワ選手のおばあちゃまは、「賃貸アパートでは手狭で問題が起こるのでは?」と指摘していたにも関わらず、プレゼント大作戦は着々と進行。

結局、お家ではなく、フィギュア協会みたいなところで《みんなにかわいがられる》そうです。


私が譲渡した猫が、譲渡した先の家ではなくその人の所属するどこか知らない場所で《みんなにかわいがってもらう》なんて言われた日には、即刻返還要求します。

話がちがうし、犬の場合特に誰を主人として落ち着けばよいかすらわからなくなってしまうし。


もっといえば、主に小型犬で品種改良も繰り返されています。

こんなの「売れるから(=買う人がいるから)やる」に他なりません。


◼︎そして、『純血種』であるということに価値を置いてしまう人たちがいるからです。

ひとつのブランド志向です。

一昔前に、海外から輸入した犬の血統証が間違っていたことが発覚した途端、購入者がその犬を手放したなんてニュースがありました。

瞬く間にメディアから情報は消えましたが。

(※日本の犬の血統(証)を管理しているのは、農水省とつながっているJKCです。)


大切にされるべきはひとつひとつこの世に生まれ落ちた命なのであって、血統でも種でもないのです。

なのに、血統や純血種などの言葉があるばかりにその子自体を見ることなく、ブランド効果として所有する人が少なからずいるのです。

だから、その価値を失った途端、無慈悲にも棄てるなんて選択ができてしまいます。


◼︎そして、この子たちは「商品」ではありません。

ですが、血統証つきの純血種を求めてペットショップで命を購入する人たちがまだまだたくさんいます。

買う人がいるから「生産」されます。

犬猫の場合はブリーダーによって産ませられるのです。ペット産業という大きな業界において、その「生産量」は莫大なものです。朝日新聞の調べでは「流通」の過程で少なくとも25千頭が死んでいるそうです。そして、「商品」にならない「不良品」や、「売れ残り」も当然ながら発生します。

そして野良猫や保護猫は「欠陥品」「ペットショップの子より劣っている」ようにいう人たちもいます。

もちろんそんなことはないわけで。

譲渡会で、保護っ子たちの前でそんな失礼なことを言われたら、「断固ちがう!」と声を大にして言います。







*




私は、ドッグトレーナーになるために犬の種類こそたくさん覚えましたが、

猫の種類にはぜーんぜん無頓着でした。

もちろん犬同様に、犬種・猫種によって性格、しつけの仕方、かかりやすい病気など対応が異なるので知っておくに越したことはないのですが。


犬種や猫種って、

人間の生活や都合に合わせて、

人間が掛け合わせて作り出して繁殖させてきたもの。


だからこそ性格的に同じ傾向が見られたり、

同じような病気にかかったりするのだと思っています。

もちろん育つ環境などによって異なってくるものではありますし、同じ種類の中でも個性はたくさんあるものです。

また、その子の性格や病気の傾向を知りやすくなり、生活の中で気をつけてあげられるという点ではメリットだとも思います。


ただ、その逆は、


私としてはすごく違和感を覚えます。


「こういう子がほしい」という希望は、

ときに、

「お洋服を選んでいる」ような錯覚を起こさせます。


人間が気に入ったもの(だけ)を選ぶということ。


間違っていないのだけど、いつもなんだか首を傾げたくなってしまいます。


気に入ったものを手に入れるということは、

逆説的に言えば、気に入らなくなれば手放せるということ。

簡単に手に入るものは、比較的簡単に手放せる。

それらは選ぶ側の手中にあります。


私の中では、

出会ってしまったから一緒に暮らすというのがすごく自然で理想だなと思います。


出会いの場というのは、別に道端のみならず、譲渡会や里親募集サイト、保健所、ポスターだって同じです。

もっというとペットショップだって。(ですが生体販売やペットショップには断固反対です!動物の福祉と真逆のものだからです。ここで書くとただでさえ長文なのがさらに長くなるので割愛しますが、命が商品として扱われることそれ自体がおかしいことなのに、生体販売の裏側はさらにひどい。)


ばあやのお家からずっとのお家へ行った子たちの里親さんたちはみなさん素敵な方たちで、

出会うべくして出会ってくれて、

里子に迎えた子たちと一緒に幸せでいてくださる

(そこには寸分の疑いもないので誤解のないようお願いします。)


でもそんなこと言っていられないくらい世の中には助けなければ死んでしまう犬猫が溢れている。

譲渡会では葛藤の繰り返しです

そのお家に合った子をご紹介せねばならず。

「どういう子をお探しですか?」と尋ねては自己嫌悪です。

でも。

マッチングは大事だし、ネコのみならず、里親さんにもより合う相手を見つけることが大切であると思うためにしている質問ですし、

この人ではこの猫を幸せにできないと思ったらお断りもします。



参考にこちらも貼っておきます。


https://sippo.asahi.com/article/10560200



https://news.yahoo.co.jp/byline/ohtamasahiko/20151205-00052093/



なんだかうまく書けなかったので散文的になってしまいました。

思いついたら編集しますm(_ _)m