慌ただしい日常の中、その日はあっという間にやって来た。
2017/5/2オペ当日
妻の人間としての強さを改めて感じたのと同時に、おそらくこの先含めて人生のトップ3には間違いなく入るであろう喜びを与えてもらった一日でもあった。
書類の記載を含めて入院や手術の準備を全て一人で進めた妻を見て、きっと小心者の僕を不安にさせまいと不甲斐ない夫の事を想って気遣ってくれた妻の強さを目の当たりにした。
手術が終わるまでの時間は本当に長く感じた。
気が付くと妻がオペ室に入った13時54分から手術が終わるまでの16時11分までの間、ずっと妻のLINEに独り言を送り続けていたのだ。
そして、主治医から手術成功の報告を受けた時、涙をこらえるのに必死になっていたのを覚えている。
余談だが、妻に送ったLINEが全て既読になった時、こらえていたはずの涙はコントロールがきかず何年ぶりかくらいに声を出して泣いてしまった。
これで全てが終わるはずだったのだが...
後日病理検査の結果、妻の乳癌はステージIであることが判明したのだ。
正直、個人的には乳癌発見以上のショックを受けたのだが、妻自身はこの事実を真摯に受け止め抗癌剤治療を受ける覚悟を決めて癌と闘う道を選んでくれた。
それは二人の子供をもつ母親としての強さが、ここまで彼女を前向きにさせたのだと思った瞬間だった。