「いらだち」
すべての木に彫りこみたい。
すべての川石に刻みたい。
すべての新しい花壇に
すぐに咲き誇る種を蒔きたい。
すべての白い紙に書いてしまいたい。
おまえのものだ
この心は。
おまえのものだ
この心は。
そして永遠に、永遠にそのままであれ!
むくどりのひなを仕込みたい、
人の言葉を真似できるまで。
この口と心の強い力で、
言葉を話すことができるまで。
そしてあのひとのいる窓辺でうたわせるんだ。
おまえのものだ
この心は。
おまえのものだ
この心は。
そして永遠に、永遠にそのままであれ!
朝風にこの言葉を吹き込みたい。
林の隅々に響きをそよがせたい。
おぉ、どの花からも光輝いてほしい。
波よ、お前は水車しか回せないのか?
おまえのものだ
この心は。
おまえのものだ
この心は。
そして永遠に、永遠にそのままであれ!
きっとオレの目には出ているはずだ。
オレの頬が燃えるのが見えているはずだ。
オレの黙っている口元を読み取れるはずだ。
吐く息すべてがあのひとに伝えているはずだ。
でもあのひとはこの想いにはまるで気づいてくれないんだ。
おまえのものだ
この心は。
おまえのものだ
この心は。
そして永遠に、
永遠に、
そのままであれ!