うちの父方の祖父母を「お婆ちゃま」「お爺ちゃま」と呼んで育った。


幼い頃は当然だと思っていた祖父母の人数がおかしいと気がついたのは小学生の時だった。


東京の実家は母方の祖父母の敷地に母の兄弟7人がそれぞれに家を建てて暮らしていたので幼少時代からイトコ達が沢山同じ敷地で育った

平和で

楽しかった


問題なのは父方の祖父母、

大阪から泊まりに来る度に

お婆ちゃまの背が高くなったり低くなったり痩せていたり太っていたり。


おまけに厳しくて定規で膝を叩かれたり小学校から帰ると着物を着せられ作法の勉強ばかりだった


それが次に来た時には「一緒に遊びましょうね」とリカちゃん人形で遊んだり、

クレープを作ってくれたりと別人格になるので今度はどっちになるのかと

子供ながらに毎回会うのが

怖くて仕方なかった。


しかし小学3年になる頃には祖母の顔が違う事に気づいた


厳しくて怖い背の高い痩せた女性が

本当のお婆ちゃま


対して、優しく遊んでくれて大好きだった背の低い太ったお婆ちゃまは祖父の40年になる愛人だった


普段は同敷地内の愛人宅に祖父は住んでいた


私の父と伯母の長女は本妻の子、

次女は愛人が産んだ子供だと知ったのは泊まりに行った時、お手伝いさんにそれとなく確認した時。


それを自然に受け入れていた祖父母や実両親にも驚きだ


お正月に泊まりに行った時、

お婆ちゃまは新しい着物を着せて私を会社(自営)やお世話になっている取引先に連れていった。

ちなみに手を繋いでもらった記憶もない。


愛人のお婆ちゃまは凧上げを教えてくれてカルタをしたり羽子板で遊んでくれ白玉を一緒に作ってくれた

タオルケットをかけて背中をポンポンしながらお昼寝させてくれた


善き

善き

思い出照れ


私のお婆ちゃんちは

愛人宅だったな


誰にも言えないけど

大好きなお婆ちゃまだった。






 

 

 

 

 

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