智を、青鬼、赤鬼に預けて俺は、講習を受ける事になった。
抵抗は、もちろんしたけど・・・
あんな状態の智と離れて過ごすなんて、有り得ないだろ?
万が一に、サキュバスが出てきたり、他の人格が出てきた時どうするんだよ……って。
今の幼い子供みたいな状態の智は、絶対に俺と離れるのは不安になるはずだし。
そんな、こんなの不満や不安を、ぶつけてみたが……
(あのな……お前は免許取得する為に来てんの?大野も、船には連れてくし。)
「えっ?あんな状態の智を?
今の智に免許取得は…………。」
(技能取得する分には問題ない。
それに、習った事は元に戻っても覚えてるからな…。)
「そんなもんなんですか………」
(彼奴は、賢くて強い。
自分の内側でサキュバスと戦ってる。
大野は悪魔達を、騙す為に子供を演じてるようなもんだ。
考えてそうしてる訳では無くて、無意識のなかで防衛本能が働いて、そうしてるだけだろうがな……。)
「騙す…ですか?淫魔だから、子供の心には入れないと?」
(入れないっていうのは違う。既に、入ってしまってるのは間違いないからな。
意識を乗っ取り、動けるかどうかだ。)
(櫻井君。ちゃんと、見てるから。
君は、1日でも早く試験に合格すれば、残りの時間は大野君と居れるよ?)
「分かりました。速攻で合格して免許取得してみせます。智の事宜しくお願いします。」
(任せとけ。さっ、行きな。)
「はい。」
今まで、緑鬼や黄鬼とトランプをして遊んでいた智が、ちょこちょこ♪と俺の腰に抱きついて来た。
「しょう?どっか行くの〜?
ぼくも、いっしょに行くよ〜(*´﹀`*)」
「( *ˊᵕˋ)ノˊᵕˋ*) ナデナデ💕
あのね……今から勉強に行かなきゃ駄目なんだ。智も、勉強しなきゃだよね?」
「おべんきょ〜?( -᷄ _ -᷅ )💭・・・」
「そんな顔しないで(笑)
ほらっ、俺を船に乗せてくれるんでしょ?
智の運転する船で、旅に行きたいなぁ❤」
「たび??」
「そう!船で遠くに行って、陸地に着いたら、俺の運転する車でドライブ♪♪
早く、智とそんな旅をしたいなぁ♪♪」
「ぼくも!!ぼくもしたい♪
お船の運転できるように、お勉強がんばる!」
「俺も!車の運転できるように頑張る!!」
(話が、纏まったようですので行きましょうか?実地訓練は、私が担当です。)
手を振る智に、後ろ髪引かれながらも、1日でも1秒でも早く智の傍に戻れるように、勉強に集中する事にした。
「あの……黄鬼教官?」
(なんでしょうか?)
「紫鬼教官は?」
(今日は、部屋に軟禁ですね。)
「なんで?あっ、サキュバスの標的だから?」
(まぁ、それも有りますが……
大切な生徒を危険に晒した訳ですし……
今日1日は、反省させられてます。
反省文でも、書かされてるかも(笑))
「反省文……別に、紫鬼が悪い訳では…」
(好かれたり惚れられたりは、不可抗力でしたが………。
トラブルが起きれば、責任問題ってのは着いて回るもんです。ケジメを付けて、問題を解決出来れば、今後も、問題無くやって行ける。
大人の社会とは、そういうもんです。)
「そうですね…………。
今日は、宜しくお願いします。」
(はい。宜しくお願い致します。)
***************
(o・・o)ノばいばーーい!!ばいばーーい!
翔、行っちゃったぁ………。
走ってったバスが、見えなくなった。
(大ちゃん(*’◇’)ฅ行こっ?)
「うん、行く!」
家の中に入ると…家の電気が消えてて
「真っ暗!!どうして〜?」
(大丈夫♪♪見てて)
部屋の中が、パパッバパッと明るくなって、
見渡す限りの、大海原🌊🌊
(大野君、さすがに今の状態で海には連れてけないからね。
バーチャル授業にさせて、貰ったよ。)
(ちゃんと、波の感覚も、肌にあたる潮風も体感出来るだろ?)
(人間世界のVR なんかより、もっとリアルに近いんだ。ゴーグルも要らない。
部屋の中に異空間を発動させるから、家具を退かす手間も要らないし、お手軽なんだよ。)
「へぇーーー。(*´・д・)??」
(あんまり、分かんないよねぇ〜!
おれも、まだ分かってないもん、クフフ(笑)
(こういうのが有るって知って貰えれば充分だから。
で、体験談を霧の街に話してくれたら、嬉しいかなぁ( ̄▽ ̄)ニヤッ)
(あんまり、売り込みかけ過ぎると、嫌がられて入禁になるぞ?(笑))
(大丈夫ですよ。霧の街は引越し後、膨大に土地が広がるはず。その土地の有効利用する為に我々の会社が必要となるはずだから!)
(あっ、そう……。
商売に関しては赤に任せるけど……。
クレームだけは、勘弁な┐(´д`)┌
すぐ、俺に直接言ってくるんだよ……)
(それは、そうでしょ?貴方、代表取締役で、俺達のキャプテンなんだから。
後処理は、俺がするんだから良いじゃない)
(はいはい………。
さっ、大野、操舵席に座れ。
色んな海を、走ってみるぞ……
まず、エンジンかけて離岸させてみっ)
(´・∀・`)
「わぁーーーい!やったぁ♪♪
やってみるぅー!!」
(大ちゃん、頑張ってーー!)
(うまい、うまい Ι٩(⌒-⌒) )