青鬼達が座ってたソファーに、智を寝かせる。
額に、汗が吹き出してきてる。
俺の横から、緑鬼がタオルを渡してくれた。
「ありがとうございます。」
(大野君…苦しそうだね・・・・。)
眉間に皺を寄せて、唇を噛みしめてる。
その時、智が飛び上がるように起き上がって、少し離れた場所に立ってた紫鬼を見た。
スっと立ち上がって……真っ直ぐ紫鬼の方へ、ゆっくりと向かって行く。
「智…………どうしたの?」
俺が前を遮るように立ち塞がると……
『退いてくださる?
ボクちゃんに用は無いのよ……』
俺の眼を一瞬だけ見て…シッシッと払われた
これは、智じゃない………
雰囲気が妖しげで、大人の色気っていうか…
淫靡な香りが全身から放出されてる……
仕草の一つ一つが、男を誘ってる感じ
今は、紫鬼に向けられてる……
『紫さま♡♡』
そう言って、紫鬼の両手を握り……
『ずっと触れたかった……
とても…逞しい胸板…素敵ですわ♡』
紫鬼に抱きついて、恍惚の表情を浮かべて頬を擦り寄せてる・・・・(怒)
「智!!!
そいつから離れろよ!」
智と紫鬼を、無理矢理に引き剥がす。
『何するのよ!!人の恋路を邪魔しないで。
それに、アタシは智じゃないわ。』
「その身体は智のだ!!てめぇ〜誰だよ!
智を返せ!!」
『ギャーギャー煩いわねぇ……ε=(・д・`*)
この子の身体の波長が、アタシに合うのよ。
紫鬼さまに向ける、アタシの愛と、この子が紫鬼に向ける嫉妬、妬みの感情が良い感じに混ざってシックリきてるのよねぇ……。』
「嫉妬と愛情なんて真逆だろうが!!
智は、俺を愛してるんだ。
紫鬼に嫉妬したのだって、俺を愛してるからで!!」
『そうねぇ〜。ボクちゃんに対する愛情は深そうね……。だからこそ、自分に無い魅力を持った紫鬼さまに憧れ妬み嫉妬した。
この子の自分に対する自信の無さから、貴方に相応しいのは紫鬼さまみたいな大人の色気を持った相手なのではと、頭に過ぎったのよ。
そこを、上手く利用させて頂きました。』
紫鬼の首に腕を回して…顔を寄せる智…
(おい!サキュバス。止めろ!!
この子に身体を返してやれ!!)
「智の身体を乗っ取らなくても、自分で紫鬼の所に行けよ!!
何で……智なんだよ!他所を当たってくれ!」
『他所ねぇ……。私を受け入れたのは、この子自身よ?最初は、ボクちゃんの身体を狙ったの。
昨日……部屋で紫鬼さまと2人っきりで居たでしょ?でも、ボクちゃんは紫鬼さまに対して何の感情も持ち合わせて無いから……。』
「そりゃ、なんの感情も無いわ。
授業聞いてるだけなんだから………」
『その時にね、この智って子の視線を感じたのよ。鋭い視線で紫鬼さまを見つめてるの。
心の中に湧き出た感情を必死で消そうと、もがいてて、何か絵を必死で描いてたわ。
まるで…芽生えた恋心を誤魔化すみたいに。』
「恋心じゃねぇーーわ!!」
『うう〜ん…。そこはアタシには関係ないの。この子の感情、意識が紫鬼さまに強く向けてくれたって事に意味が有るのよ。
アタシが付け入る隙を与えてくれたの。
この身体、気に入ったわ。
まだ幼いけど、私のなりたい身体の理想よ。
今でこの美貌なら成長すれば、もっとね♡
紫鬼さまの隣に居ても釣り合うはずよ♡』
「智は、俺のだ!!
智の隣に居るのは俺しかいないんだ!!」
『ボクちゃん……この身体が、そんなに好きなの?うう〜ん。アタシの好みじゃ無いけど、相手してあげても良くてよ?♡♡』
紫鬼の頬に軽く唇を充てて……
俺の方に、優雅に歩いて来た……。
中身は、よく分からん奴でも、身体は智
普段見せない色っぽい歩き方で、
誘惑するような視線で……妖麗な仕草…。
ドキマギするなってのが無理だろう💦💦
あれは、智じゃない!!智じゃない!
目を瞑って、後ろに下がる……。
受け入れて抱き締めてしまったら、浮気になるような気がしたから……
壁まで、追い詰められる。
そして……いわゆる壁ドン状態に。
『あらっ?クスッ♡♡ドキマギしてるの?
可愛いのね💙ウブな子も好きよ♪♪
貴方の セイ 液 も 美味しそう。成長するの待っても良さそうね♬♪♬』
俺の下半身を擦りながら、頬をペロッと舐められた。
その時…………
『ヴッ!!!まだ抵抗出来るの!!
もう!!諦めなさいよー!
アンタには、別の身体を用意してあげる!
ほらっ、そこの人形に移れ!!』
智、いや…智の中に居る奴が、耳を抑えて騒ぎだした。
『グワァーー!!あっ、くそっ!
紫鬼さま〜。後で必ずーー!!』
一瞬白目を剥いて、ガクッと俺に凭れた。
「んっ……翔に、触るなぁ…僕のだぞ!」
「さと……智!!智戻ったのか?」
「翔…………。ゴメンね…」
「何が?何がゴメンなんだよ💦💦
大丈夫なのか?身体何とも無いのか?
彼奴は、どこ行った?」
「紫鬼さんに、Kissするの止めれなかったもん。僕じゃないけど、身体は僕だから……
浮気だもん……。」
「浮気には、ならないって(笑)
元に戻って良かった………ε-(´∀`*)ホッ」
「浮気じゃないの?
僕じゃない僕が、翔にKissしようとした時に、翔が目を瞑ったから浮気だ!って思った」
「えっ?そうなの?」
「うん………。いつもと違う顔してたもん翔
ドキマギっていうの?あんな表情見た事無い気がするもん……(*≖н≖)ムッ。」
「いやっ💦💦あれは、普段の智とのギャップがあったから、少し……💦💦」
「やっぱり……大人の色気ある方が翔の好みなんだね……。そっか……やっぱり……(´._.`)」
「違う!!違うよ💦💦俺は、智が好きなんだ!その、子供っぽい所も大好きで💦💦」
「子供っぽくて悪かったね……」
( *`ω´)キッ!と顔を上げた智が……
俺の身体を胸ぐら掴んで力いっぱい壁に押し当てた。
「智。あの……また別人格??」
「別人格?な訳ないでしょ?僕は僕。」
「そっか……💦💦えっと、この体制は?」
「よく聞いて………
また、あの人出てくると思うの。
僕が弱いから………
もし、また紫鬼さんに迫ったりしても、あれは、僕じゃ無いからね」
「分かってる。分かってるよ!!」
「どんな状況でも、状態でも……僕は
あなた(翔)の事しか見えない
だから……信じて。何があっても……」
「うん。俺も、俺だって智しか見えない。
今、俺の目に映るこの智を愛してる。」
((( *´)` )チュッ💙”❤
「うん。……あっ💦💦もう…フラッ…」
また、ぐらぐらっと身体を揺らすした後、バスの中で出てきてた子供の人格の智が……
「しょ〜う♡♡おはよぉ〜♡︎(°´ ˘ `°)/
ぼくねぇ〜、おなかペコペコなのぉー♬」
フゥ〜………。
「サンドイッチあるよ?食べよっか?」
「うん!食べるぅー♪♪
あれれ?鬼しゃん、ふえてるぅ!」
あー。忘れてた…鬼達居たな。
っていうかさぁ……
助けてくれなかったな此奴ら・・・
(なるほどね……理解した。
紫、お前は部屋に帰っとけ。)
(了解……)
(智くん。ジュース入れようか?
ココアが良いかな?)
「んーーとねぇ、ここぁー!!」
(持ってくるね。そこで、翔くんと一緒に待っててね。)
「はぁーーい!しょうも、ここあ !!」
(わかってますよ( ˆ.ᴗˆ )ฅ)
(櫻井君、ちょっと……)
「はい……」
「しょう?どこ行くの?」
(智ちゃん♪♪オレと一緒に遊んで♪♪)
「(´・∀・`)うん💙いいよ〜♬♬」
緑鬼に、幼くなった智を預けて、外に出る
(あのね……大野君を今スグには戻せない。
とりあえず……さっきので取り憑いた奴のメインが誰かは判明出来たけど。他にも小者が居そうだから…。
一度全部出さないと対処出来ない。
暫く大野君を自由にさせて中に居る奴を誘き出すから。)
「さっきの奴はまた……」
(出てくるだろうね。)
「何で紫鬼は……Kissを拒まなかったんだ!」
(しなかったんじゃない。出来なかった。
金縛りみたいなもんだよ。
大野君を傷付ける事をいとわないなら妖力全開にして払い除けれたかも知れないけどな。)
「・・・・・」
(紫が、顔出さなければ大丈夫だよ。
まぁ、他に標的を変えたら分からんが…)
「なんなんですか、奴は……。」
(サキュバスっていう女型の淫魔だ。
男型はインキュバス。両方の性を持つ悪魔)
(気に入った 精 液を 確保して 糧にしてる悪魔だな。
誘惑して、相手と 性 行為 に持って行く必要が有るから……必然的に乗っ取られる人も美貌を兼ねてる人になる。
大野君の容姿が、悪魔のお眼鏡にかなったって所かな……。嬉しくないだろうけど。)
「全く、嬉しくありませんね!!
また、智が誰かを誘惑するのを見なくては、いけないんですね……。」
(そこ、間違えんな!!
大野が誘惑するんじゃない。
さっきも大野は身体の中から見てた。
お前が疑いの眼差しで彼を見たら、戻って来れなくなるからな!!)
(さっき、大野君が言ってたよね?
あなた(翔)しか見てない。って……。)
「そうですね……。
でも智の唇を他人に触れささない!!」
(だな……しっかり守りな(笑)
紫も満更でもなさそうだったし……
強引に誘惑されたら……(苦笑)
ガハハハ ฅ(´^∀^`) ガハハハ )
「(⚭-⚭ )・・・・・・・(怒)」
(ちょっと……笑い過ぎだって(苦笑))
(すまん💦💦
それだけ……大野は魅力的だって事だ。
全ては、櫻井への愛情が深いから陥った心の隙だからな。
お前らは、良いコンビだよ♪
責任持って、大野を戻して免許取得させてやるから、信じろ!)
「はい。」
そうだった。
免許取得の為に来てたんだった。