「智、荷物それだけ??」
いつも思うけど、智の荷物は少ない・・。
幅広のリュックの中身は
スケッチブックと色鉛筆
濃さの違う鉛筆数本、消しゴム
俺には分からないけど絵をかくのに必要な道具一式
かさばる荷物は、絵の道具だけ。
後は、サイドポケットにしまわれてるらしい。
「うん。全部入れたよ」
絵の道具だけでも重いんだ。
俺が予備の服とかは持って行っとこう…
一泊二日ぐらいだとは思うけど、何があるか分からんしな。
「翔、そんなに荷物あるの?」
智が、俺のトランクケースを見てビックリしてる。
「必要最低限の荷物だよ。
トランクの中は、半分以上空いてるし。」
「そうなんだぁ」
チケットの入った封筒を智に渡す。
「これは、智が管理して?!」
「わかったよまかせて」
天色の封筒を、ボディバッグにしまう。
絵の道具が無ければ、ちょっとの旅行ならそのボディバッグで事足りるんだろうな。
「じゃ、霧の街に挨拶してから、出発しよう」
「僕は、準備万端だよ!!」
霧の街に通じる穴の道に飛び込む前に
「「お月様、お星様、行ってきます」」
2人で一礼して、穴に飛び込んだ。
霧の街の紫陽花ロードを抜ける。
ゲートの中には、サト兄 と ショウ兄
待ってくれてる??
智と顏を見合わせ、小走りでゲートをくぐり抜けた
「おはようございます。」
(おはよう!!出発日和だねえ)
(おはよう、顔出すと思ったよ)
「今から行ってきます。」
「挨拶してから行きたくて」
(ありがとう(*^-^*))
(じゃ今回の旅行の必需品渡すね)
二人が俺と智に、風呂敷包みを渡した。
「これは?」
(花火大会の前に見てよ)
(俺たち ciel の 5人からね)
「「ありがとうございます」」
俺の、トランクにしまった。隙間がいい感じに埋まった
(さっ、もう行きな。)
(チケット出したら、駅に着くでしょ?)
「はい、そうみたい。」
智が、封筒を出して中のチケットを四枚取り出し、二枚を俺に渡した
その瞬間、空間の捻じれが起きて・・・
ショウ兄、サト兄の
(行ってらっしゃい!!楽しんで来いよ)
(蒼の妖精くん達によろしくね~!)
という声が聞こえた。
視界がハッキリとし、左右を見渡す。
智が、俺の腕を掴んで
「駅だね・・・・」
「駅だな・・・」
人の声が聞こえてきて二人で後ろを振り向く
「わ~~すごい、すごい」
「これが・・銀河鉄道」
チケットの銀河鉄道を見て想像していたのだが
リアルに目の前に現れると、想像を絶する迫力とカッコよさに暫し瞬きも呼吸も忘れる
隣りにいた智は、おもむろにリュックを降ろして、スケッチブックを取り出した
まだ、集合時間までかなりあるから、空いてるベンチに座らせて気が済むまで描かせる事にした。
俺は、写真に残るかは分からないが、機関車をフィルムに収めた。
明日、15 時から、21時まで連続投稿します!
お話の時間軸と同じタイミングで🆙あっぷ♪します
花火が上がるまで、お付き合いください。