いつもの時間より、少し早い時間に目覚めてしまった。
二度寝しようかな……と思案しながら、ふと窓の外を眺めると、サトシくんとカズが仲良く歩いて行くのが見えた!
慌てて窓に張り付いて2人の行く先を凝視してて、久しく理解!
あー。紫陽花の手入れに行ったんだ。
いつしてんのかな?って思ってたけど…
こんな朝早くにしてたんだなぁ。
ここ、ciel街は、5つ葉の形をしてて、
この街を守るように、霧の向こうとの境目の道に紫陽花が植えてある。
さとしくん達が世話をするのは、街の入り口の中だけなのだが・・。
俺たちは、この街から、安易に出る事を好まないから…!(出れないともいう…が。)
紫陽花ロードは、霧が薄く消えていく遠くの場所まで続いている。
さとしくん曰く、外の紫陽花の世話は外注してるとの話なんだけど・・。
ciel内の紫陽花の世話は、サトシくんと、カズナリの担当になってる。
本当は、俺とサトシくんで!と思ったが、正直、サトシくんの負担を増やし兼ねない。
(不器用なのは自覚あり)
手先が器用な2人が、必然的にお世話係となった。サトシくんは、他の花の手入れもしてるけどね。
俺は……2度寝しよ。きっと、今朝も
「朝ごはんだよ!ฅ(´・∀・`)起きて!」
って、起こしに来てくれるはずだからさっ。
(* ̄∀ ̄*)~゜❤
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「今日は、虹が綺麗に見えますよ。気持ちの良い朝ですね(^-^)」
「ほんとだぁ!気持ちいいね~(*´∀`*)
良い事あるかなぁ?」
「良い事ありそうですね」
( ◜ᴗ¯)(¯ᴗ◝ )クスクスクス♪♪
カズナリは、唯一、兄を独占できるこの時間が好きだ。
サトシになら素直に甘えられる。
天邪鬼な性格もなりを潜める(笑)
兄、弟の立場が逆転してる時も多々あるのだが、サトシの世話は苦になる事は無い。
マサキもジュンも、サトシに関しては同じ感覚なのだろう。
ショウに関しては、少し3人とは、違うようなのだが・・・。
「リーダー。この外の紫陽花は、何処に外注してるんです?」
「うん??知らない(笑)でも、いつも綺麗に咲いてるし、誰かが世話してくれてるんだと思って。たまに、カサカサ動く音する時あるし。」
「はぁ………。そうですか。まぁ、外の事は、知らなくても良いですね。深く関わる必要もないでしょう。」
カズナリは、それ以上深く詮索する事を止め、此方の紫陽花の世話を再開した。
サトシが、外のはるか遠くの霧の向こうの紫陽花に向かって、小さく手を振っていた事は知らない・・。
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