「ごめん…あなたが好きなの」



………で???



私、何言っちゃってるの?

何でいつも言いたいことを

飲み込めないのか

独身の彼にそれを伝えて

私は一体どうしたいのか



アホな自分にほとほと呆れる



「もしもよ?私が

 家族を捨ててあなたと一緒にいたいって

 そう言ったら、どうする?」



「そうだな…

 それが紫陽花さんにとって

 本当に1番幸せなことなのかどうか

 聞くかな」



「…そうね」



気持ちが暴走を始めてしまった私に対しての

彼の回答は100点満点の模範解答だ



たとえ彼が私を好きになってくれたとしても

家族を捨てて恋愛に走る

そんなことは絶対にできないと思う

何の罪もない子供たちを

不幸にするなんてことは

絶対にしたくない

あってはならない



既婚の恋って

こんなにも身動きが取れずに

切ないものなんだなぁ



だなんて



彼が私に対して

恋愛感情を持っているとは思えない

完全に私の片想いだし

一人相撲だ



続きます