初めて知り合ったあの日

共通の仲間との飲み会の後に

何故か誘われるがまま

二人きりで飲み直すことになった

男の人と二人きりでお酒を飲むなんて

結婚して以来、初めてのことだった


どうしてあの時

振り切って帰らなかったのだろう

今となっては

あの瞬間が分かれ道だった


彼は10歳以上年下で

私に敬語を使って接していた

色んな話をした

お互いの恋愛の話もした

彼といるのは

凄く楽しくて居心地がよくて

ほろ酔い気分のまま店を出た


一服付き合ってもらってもいいですか?

彼はそう言い、薄暗い路地へと入った

閉店したお店の軒先

彼はタバコに火をつけた

すぐそこの表通りの喧騒が

遠くに聞こえるような気がするほど

そこには私たち二人しかいなかった


続きます