病院にいったその日、そのまま入院し、手術はその3日後に決まった。入院といっても、手続きだけして、その後は外泊扱いで自宅に帰った。病院にいくのは、前日の夕方で良かった。帰宅後は、いつもと同じ休日を過ごし、家族で入院に必要なものを買い出しにいった。
この時点では、病気をあまり深刻に考えていなかった。病理検査の結果、悪性なら癌ということになるが、まさか自分に限って癌ということはない、良性の腫瘍だろうと思っていた。自分の血筋で癌にかかったというはなしは聞いたことがなかった。それにしても、精巣に腫瘍が見つかった場合、9割は悪性らしいので、自分に限ってという考えはお気楽すぎる。もっというと、初めての入院、初めての手術に少しのわくわく感すらあった。
入院前に剃毛するように言われていたが、これは苦労した。買ってきたカミソリでは剃れない。ハサミでざっくり切ってカミソリでちまちまやった。失敗して小傷がたくさんできた。後にやる別の手術では、バリカンのようなものを貸してくれたのに、なぜこの時は貸してくれなかったのかと思う。
手術は連休中日の平日だ ったが、もともと有給休暇を予定していたため、入院、手術する事は事前に会社へ連絡はしなかった。連休明けに3日ほど自宅療養することにしたので、その時初めて上司に休むことと合わせて経緯を伝えた。実はこの5月で退職し、次の会社へ転職することが決まっていた。そのため、休む事に抵抗はなかったが、会社の人達に心配させるのは悪いと思っていた。
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