家を出て旅する劇団に入りたい


それが一緒に暮らし始めた妻の切り出しだった。





家内はフリーターをやりながら舞台の専門学校に通っていた過去がある。

学費が払いきれず辞めている。


親は進路を認めず自力で払い続けたがダメだった。


オレと出会い、家を出ることには成功

しかし

夢捨てきれず旅劇団の募集に引きつけられる。


俺は驚き、慌てた。

これは即ち別れてくれと言うことだ。

思えばアレが波乱の始まりだった。

はい分かりましたなんて無論言えず

そんな食えない仕事止めてくれと

どうやって収めたのかはどうしても思い出せないが、世間体を気にしてなかったかといえば嘘になる。


人の翼はもぎ取れない

同様に人の人生もコントロールするのはおかしな話だ

あのとき正直に生きたらと

あのとき違う選択を勇気をもってしたらと

人は振り返る

毎日毎日、何かの選択を累々と重ねて今の自分の立ち位置がある

だから過去は変えられない

だから未来は変えられる

いやいやそんな甘くない

だって未来を変えるのは様々な物を捨て去る強靭な覚悟が要るからだ。

俺にはそんな覚悟の欠片もない

老いて尚盛んという人がいる

伊能忠敬よろしく
三浦雄一郎しかり

なれないなショボーン

人のバイタリティーって、生まれ持っての量がそれぞれ全く違うと思う。

やっぱり

凡人が目の前の幸せに飛びつくとろくなことはない。

いつでも未来を変える自信が有るものだけは飛びつく権利があるんだね。

何でもかんでも踏み台にしてジャンプするバイタリティー

欲しいな~そんな夢のようなエネルギー。