秋めいてまいりました。
秋は「飽きる」からきているそうです。
夏のエネルギーが満ち飽きて(飽和して)実りとなる。
陽の長さが短くなり、空気の暖かさと涼しさ、湿度が変わってくる。
虫の音も変わってくる。
景色が、景色の色が変わってくる。
黄や赤や茶に焼けた色に。
夏のイメージがスライドしてくるかのように、燃えて焼けて焦げていく過程のよう。
そんな季節の贈り物のひとつが「栗」です。
山の恵みです。
栗は採ったらすぐに食べる。
すぐに食べられなかったら皮ごと加熱処理する、または冷凍保存します。
栗の中に虫がいることがよくありますが、虫が栗の中に入っていくのではなく、栗の中に産み付けられた卵が中で孵化するので、その対策です。
栗を使った料理は直球勝負になります。
栗ご飯、栗おこわ、焼き栗などなど。
ダイレクトだから素材そのものを味わうということになります。
(玄米小豆栗ご飯。これは美味しい!)
また、お菓子にたくさん使われますね。
お菓子の場合、保存的な意味合いが強くなってきます。
冷凍技術が発達していなかった、電気がなかった時代のありがたい知恵です。
知恵が調理の多様性を生み、豊かな暮らしとなっていく。
実際、栗は私たちを幸せにしてくれる食材に感じますよね。
特に特徴のない味だと思うのですが、その風味を楽しめる日本人の感覚が素晴らしいと感じています。
大切にしたい感覚。
季節感と自然の恵みでしか味わえない本物の味。
今回はタイトルのとおり「渋皮煮」を作りました。
あじなおではとても喜んでいただいている定番商品です。
次回は作り方を。
ありがとうございます。