5-2 | 彼岸の彼方に彼の似姿

彼岸の彼方に彼の似姿

一応、読み方は「〈ひがん〉の〈かなた〉に〈かれ〉の〈にすがた〉」です。意味は知りません。というかありません。語感です。

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「つまり、魔傷を介して悪魔と回路(パス)が繋がり……」
つまんね~
「……悪魔の力は回路を通して伝わり……」
だから何だってんだよ。
「……悪魔自身を魔章として取り込む……」



「来た!」
俺は直感で分かった。
「おい、戌井授業中にどうした?悪魔でも来たか?」
「そ、その通りです。」
「何を言ってるんだ?この学校の結界は低級悪魔の侵入は不可能だ。」
「先生。いま這入って来たのは低級悪魔じゃありませんよ?」

す、、ずめ?
「今這入って来たのは……」
この言葉と同時に。
ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ、
ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、ザワ、
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
………………………
と侵入してくる蜘蛛の群れ。
「『私』ですもの。」
「キャーーー」「キィャャァァァァーー」「あ゛ーー」
「みなさん、蜘蛛ごとき何が怖いというのですか?」
いや、蜘蛛怖くなくてもこの数は尋常じゃないって。
1000、2000じゃ足りないって、これ。
床が、壁が、天井が、黒と赤で彩られた8本足の異形で多い尽くされる様は
見ていて気持ちの良いものじゃないだろ。
つーか、なんかキラキラしてないか?全体的に。
「蜘蛛の尻からは常に一本の糸が伸びている。」
雀は語る。騒音の中。
「糸を辿ると、そこには……」
ガシャガシャガシャガシャガシャ
「親が居る。」
いやぁ。。。
これは、、、、異形。だ。ねぇ。
うん。驚くつーか、呆れちゃうよねぇ。
身の丈3メートルの蜘蛛って。
うん。気絶してるね、皆。
「つまり、気絶していないアナタは、変人ってことよ。」
この方たちと同じね。と余計な一言を加える。
そう、残念なことに気絶している"皆"は
先生と魔章保持者以外の"皆"なのでした。
「おい、どうかしたか?」
………………………………………………………………
しゃーーーべっっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー
「なんだ?話して何が悪い?」
「えーーー。でも悪魔、、えーーー、だめじゃね?」
「なんだお前?これだから人間は。」
唾棄するようにいう鬼蜘蛛。
「で、なんでここに来たんだ?」
「決まってるじゃないの。私が呼んだのよ。」
「他の皆さんはもう分かってらっしゃるわ。」
は?
「来ますわよ。火の眷属、サラマンダーか鬼火辺りの中級以上の悪魔が。」
「ほら、既に皆さん魔章を発動させていますわ。」
いつもは筋トレしかしていない瀧が、
「―汝、我が名の下この世に舞い戻りたれ。其の昔、至高神に仕えし魔槍よ―」
タブレットばっかいじってる思念が、
「―全知たるその知識を貸し与え給え―」
眠っている東屋が、
「―砂漠に住み、砂漠に生き、砂漠に死す。砂たる者、いま我が元に―」
黙っている四ッ場さえ、
「―地獄の主たるその力を今、ここで、開放せん―!」
「さてワタクシも―墓場の守人にして、魔界に棲まう者―」

「グングニル!」「白澤!」「サンドマン!」「シャックス!」「ジャック・オー・ランタン!」


スーーっと皆の体に浮かび上がるのは……魔章。
悪魔の力をその身に宿し、行使する人間に与えられた障り。
あるものは掌に、あるものは右足に、あるものは見えない所に。
魔傷から、魔章が溢れ出す!
文字の様で、絵の様で、図形の様な模様。
刻み込まれた悪魔の情報を駆使した

戦いが始まる。