さて市場調査ネタで引っ張っておりますが、
見えにくいですが、↓が中国の遼寧省全体の地図です。
省都である瀋陽が中心にあり、そこから南の半島を下って
先端にあるのが大連。
右の北朝鮮方面にあるのが、丹東市
瀋陽から左斜め下にあるのが、私が今調査している
ちなみに地図にしたら、こうやってしっかりおさまりますが
けっこうでかいです。
遼寧省の人口は2009年時点で4319万人です。
ちなみに東京の2010年の人口で1305万人です。3倍以上!!
遼寧省の面積は145,900㎡。。。
ちなみに東京都の面積は、2,187㎡。。。66倍です。
まあもちろん東京都比べるのも変ですが。。。
中国はひとつの省で1国ぐらいのボリュームがあります。
人口と面積を考えれば十分1国として独立できますよね。
ちなみに私の肌感覚でいう、遼寧省の市場規模というか
市場ボリュームを数値化するとざくっと。。。
大連市を100とすると
瀋陽市で103くらい
营口市で13くらい
抚顺市で10くらい
その他の都市で4~7くらいでしょうか。
ちなみに天津市では120くらい
北京市で280くらい
こんな数字ではないかと思います。
しかしこれらの相対数値を、人口に置き換えた
場合、大連市などと比べて、その他の小都市は
3分の1くらいの人口なのですが、市場規模が
ここまで下がるのは、やはりスーパーマーケットなどの
魅力的なチャネルがないからです。
このあたりの流通チャネルが充実してきた場合に
もっともっとボリュームはあがってくると感じます。
市場調査最終日に瀋陽に戻って、その夜に
瀋陽のとある日系の流通小売店の総経理と部長の方と
一緒にお酒を飲む機会がございました。
日本人としてある意味、一番、中国の流通現場を多方面に知り尽くした
ような方々で、いろいろなおはなしは大変勉強になりました。
メーカーの自分にとって、なかなか聞けないお話を
聞かせていただき、ますます中国の流通に興味が湧いてきました。
それらのおはなしを通して感じる、中国の流通の現状という物について
考えてみました。
日本の流通の歴史というのは
戦後の闇市から始まり、百貨店→スーパーマーケット→コンビニエンスストア
→専門店→インターネットショッピングと段階を経て、1歩ずつステップを
踏み続けてきたのに比べて、
中国はこれらの歴史の移り変わりを、ほぼ同時に体現しております。
なおかつネットショッピングも既に同時に存在するのです。
この事実が何を意味し、日本と比べてどうちがうのか、
どうなっていくのか、正直わかりません。全く想像がつきません。
あえてひとつ指針にするとするならば。。。
『マズローの欲求段階説』。。ある意味基本に帰りますが
先日2年前くらいに発売した、神田昌典著書の『全能思考』
を読み返しておりました。すっごい本ですが
- 全脳思考/神田 昌典
- ¥2,100
- Amazon.co.jp
その本の中で、ページ115ページに
進化する消費を理解するというところで
マズローの欲求段階仮説と消費パターンの変化というのがあり
日本であてはめた場合
生理的欲求 。。食糧、睡眠、SEX。。生活充足型消費。。
高度経済成長時代
↓
安全 。。。身体の安全性、職業の安定性。。生活充足型消費。。
高度経済成長時代
↓
所属と愛 。。。家族、友人、恋愛。。生活付加価値型『おいしい生活』
1973年石油ショック、カラフル消費
↓
自己承認。。。自信、達成、尊敬
自己顕示欲型消費(前期)バブル消費
。。。1985年、円高不況、DCブランド、BMW、毛皮
自己顕示欲型消費(後期)セレブ消費
。。。2000年ITバブル崩壊、エルメス銀座店行列
ブランド旗艦店出店ラッシュ
↓
自己実現。。。創造性、倫理観、問題解決
自己投影型消費(物語消費)
。。。。2008年末、サブプライム問題、高級美容クリーム
これらの段階を経てきたとして、その時にあった
流通業の形態があった。
そして中国も、おそらくこのようなマズローの欲求の流れは
同じく存在しながら、なおかつ流通系はすべて存在する。
今の中国では、最初である生理的欲求段階は既に
クリアしていると感じる。もちろんこのでかく、広く多民族の
貧富の差が激しい国では、日本のような一億総中流とは
違うので、場所、層、などで進み方は違うが
私がいた、大連や天津などの沿岸部、東部地区では
おそらく安全から所属と愛にうつりすすんでいる
段階なのではと感じる。
特に今食の安全問題が重要で、メラミン事件、ダンボール肉まん
毒餃子などにより、本当に食の安全が重要視されている。
このあたりのキーワードで売れたりするのは、まさにこの流れに
はまっているといえる。
一部上海、北京などの大都会や、その他地区のお金持ちの
間では自己承認のところにもかかっている層がいるかもしれない。
このあたりのマズローのキワードを盛り込みながら
これらの流通のすべての形態に、おとしこめればいいのでは
というのが私の考えであるが、
まあ私が言わずと、成功しているところはだいたいそのように
なっているのだなと、感じる。
おっと話がだいぶ飛んだので、もどして
锦州から、朝陽市に車で向かうのであった。。
つづく。。。。

