2羽のオオワシさんに見捨てられ

しばし天を仰いでいたコン太であったが

 

立ち直りは早く

ふたたび歩いて行くと

 

またまた複数のオオワシさんを発見

 

性懲りも無く近づいていくと

 

「えっ、飛んじゃうの?

まだ、あいさつもしてないよ、・・・」

 

「こ ん に ち は ~ ~!!!」

と、お笑い芸人の錦鯉のようにあいさつしてみたけれど

 

「やっぱり、無視かよ~、・・・」

 

(な~んだ、ちゃんと整列してくれたんだ)

 

きちんと向かい合って

「こんにちは」

 

(みんなにあいさつに行こう)

と、見せかけて

 

野生の牙を剥く

「俺様を、さんざん無視しやがって!」

 

「ただじゃおかねえぞ!」

 

「ちくしょう!

また、飛び道具を使いやがったな」

 

「俺様は、飛べないんだよ、・・・」

 

「えっ、お前も行っちゃうの?」

 

「待ってくれよ」

と、心で思っても、・・・

 

(また、1対1になっちまったぜ)

 

(若鳥だなぁ、柔らかくて美味しいかも)

 

「えっ、えっ、えっ~~~?」

 

「何も言わずに、行っちゃうのかい?」

 

「友だちになってほしかっただけなのによ~~!」

しかし、本心を見破られていた

 

「あ~あ、ついてねえや」

「エゾシカだって、集団で歩いていたし」

「オオワシだって、そばまで近づいて行けたのに」

「だ~れも、友だちになってくれやしない」

「どうせ、オイラは天涯孤独の身よ」

「素敵な彼女でも探しに行くよ」

 

「あばよ!」

 

これにて、コン太劇場

お開きとなります