おはようございます。

 

なかなか専門医(ラスボス)にたどり着かない話の続きです。

 

~前回のあらすじ~

開腹手術をした私は専門医による6週間検診を心待ちにしていた。

そんな私に届く一通の病院からの手紙。

手紙には専門医の検診に血液検査の結果を持ってこいと書いてあった。

血液検査をするにはGP(一般開業医)の診断を受けねばならない。

GPと会うものの、言葉の壁があり、意思の疎通が困難を極める。

なんとか診断書をもらい、血液検査をしてもらおうとするも、採血する所はすでに閉まっていた。

次の朝に再び採血のために訪れると、「朝食たべるなって言ったじゃん、採血できないよ」と言われる。

畜生、やっぱ意思の疎通ができてないやんかパンチ!

6週間検診はすぐそこだし、週末に出直すしかねえや。

 

前回の話はコチラへ。

 

 

 

さて、土曜の朝8:30。

 

通常の土曜ならまだおフトンの中で至福の時を過ごしている時間に採血へ。

いつもなら腹が減る時間でもないのだが、食べてはいけないと言われると不思議と腹が減るものだ。

空腹を抱え、(たかが)血液検査のために3度も通ったGPは、この日今までになく激混み。

オーストラリアお得意の「週末は働きませんよっ」という考えの元、雇用主は割増料金を週末に払わなければならないので、従業員をギリギリまで減らしている。

そのため採血をする人が受付まで兼ねて、一人の患者をさばくのに時間がかかり、このような混雑になったに違いない。

 

1時間待ったころには私はお腹がすいてフラフラであった。

 

こういう時に、私はやなせたかし先生(アンパンマンの作者)が仰っていた「人生で一番つらいことは食べられないこと」という格言を思い出す。

 

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←助けてよという割に横暴な態度

 

1時間半まわったところで、やっと私の番になった。

 

お腹がすき過ぎて、ベッドに座れと言われたのにゴロリと横になったり、電話番号を聞かれて、うっかり他人の番号を渡したり、腹が減ってますます役立たずになったものの、採血自体はあっと言う間に終わり、「検査結果は3日後ぐらいに出ます。(GPの)ドクターとの予約を取ってください」と言われる。

 

え?結果をもらうだけなのに、またまた意思の疎通ができないGPドクターに会わにゃならんの?

 

 

と、愕然とするが、お腹が空き過ぎてて、なんなら採血嬢兼受付嬢の鼻をもぎって食べてしまいたい勢いだったので、何も言わずに退散した。

 

遠い。

どんだけ遠いんだ、ラスボスよ。

 

3日後、血液検査の結果が出たという連絡がGPから来る。

 

そこで、専門医との面接のために血液検査が必要なだけであって、意思の疎通ができないGPドクターと会う必要はないことを訴えると 「残念ながら、GPと会わないと結果はあげられません。または専門医の方からこちらへ連絡をくれれば、結果をGPの診察なしで専門医の方へ直接送ることが可能です」言うので、手紙に書いてあった公立病院の受付へ電話する。

 

「(受付)はい、病院です」

「(私)私は先日手術を受けて、今週金曜日に専門医とのアポがある者です。専門医との面接に血液検査が必要だという手紙をもらい、GPへ行って血液検査を受けましたが、結果を受け取るために専門医からGPへ依頼が必要なので電話しました。担当者へ回してください」

 

と長々と説明して、返ってきた返事は、

 

 

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言ってる本人だって、何言ってんだかよく分かってないもん。

 

 

「(受付)・・・・あなたが言っていることがイマイチよく分からないのですが、外来へ回します」

「(私)よろしこ」

 

プー プー プー プー

 

「(外来受付)ガチャ、はい、外来です」

「(私)私は先日手術を受けて・・・・(以下略)

 

 

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アゲイン。

 

 

「(外来受付)・・・あなたが言っていることがイマイチよく分からないのですが、どこの科の手術を受けたんですか?」

「(私)産婦人科です」

「(外来受付)とりあえず産婦人科に回しますね」

「(私)よろしこ」

 

プー プー プー プー

 

「(産婦人科受付)ガチャ、はい、産婦人科です」

「(私)私は先日手術を受けて・・・・(以下省略)」

 

「(産婦人科受付)あ~、はいはい、あの手紙ね~。あの手紙は自動的に送られる手紙なので、特に気にしなくていいです。血液検査の必要はありません」

 

(私)・・・・は?」

 

血液検査の必要がない・・・だと?

 

ショックで咄嗟に起こしたよね。

過呼吸。

 

(※精神的な不安や極度の緊張などによって、必要以上の換気活動をおこなうこと。実際は過換気症候群というらしい)

 

ショックで息を吸っても吸っても届かないよね、肺に。

 

受話器を持ってる手がブルブル震え、過呼吸でダースベーダ―のようにコーホーコ―ホー言いながら

 

「あの、あの、あの、血液検査(コーホー)、う、う、う受けたんですが・・・(コーホーコーホー)それ、持ってかなくていい、いい(コーホー)、いいんですか?」

 

「(うんざりしたように)だから、さっきも言ったように、持ってこなくていいんですよ。まあ、持って来たければ持ってきてもいいですけど」

 

誰が持って行くかむかっ

 

ありえなくねえか?

 

幸いBulk Billing※だったから、GPも血液検査も無料(税金で払われる)で済んだけど、これ、Bulk Biling じゃないGPへ行ってたら、GPとの面接で$40、血液検査が$20とかで、合計$60近くかかるんじゃなかったっけ。

 

※Bulk Billing ーGPが治療費を直接政府に請求すること。

 

それをあんた、「手紙は自動的に送られただけで、別に必要なかったんだけど~」ってどんな言い訳だよ、そもそもいらん情報を自動的に送るなよムキー

 

オーストラリアにいる他の皆さんも気を付けてください。

 

公立病院からの手紙を鵜呑みにせず、おかしいと思ったらぜひ一度問い合わせを!!

 

むかっむかっむかっむかっ

 

その衝撃の電話から3日後。

とうとうラスボスとの面接と相成った。

 

約束より遅れること30分程、ついにラスボスが私の名前を呼んだ。

 

会いたかったよ!!

ラスボス笑い泣き (って実際は呼んでないけど)

 

ラスボス(美人)はニコニコしながら

「手術をした患者さんにまた実際に会えることはいいことだ」

と言った。

 

どうやら手術をしただけで術後の6週間の検診は他の専門医が行うこともたびたびあるらしい。

 

ってか、専門医が患者と会うのが手術する間だけって、どうなんだろうか。

「あなたのことは知らんけど、あなたの内臓は知っている」ってことだよね?

なんか不思議な感じだ。

 

さすがラスボスは話が早く、療養休暇のための証明書類も目の前でスラスラ~ッと書いてくれ、私がもらったペラ紙一枚子供の落書き医療証明を見て、美しい顔をしかめながら「これはないわね、ごめんなさい。受付に言っておきます」と仰ってくれた。

 

また、痛みについては「徐々によくなるはず」、無様に二段になった腹には「元に戻る保障はないわね (キリッ)キラキラ」と爽やかに言って頂いて、ぶっちゃけ元も子もないコメントなんだが、ラスボスが言うと「勿体ないお言葉!!」と土下座の一つでもかましたくなる。

 

ベッドに横になって腹やら、股の間から体内をチェックしながら

「綺麗な傷跡ですねアップ

「ちゃんと塞がってますよ!」

などと褒められ一安心していると、ラスボスが、

 

「さ、これでもう安心して、ばんばんセックスしてください!

エンジョイ、ユアライフウインク(ウインク)」

 

そこへ、横から加わったおばちゃん看護婦が

「(その代わりとしてパートナーに)ついでに掃除もさせちゃいなさい!がはははははゲラゲラ!!!

「(ドクター)前戯も忘れないようにねドキドキ

 

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まあ、私も初老なので、そういう会話で「え~やだ~!」と照れることもないのだが、しかし、性的にイケイケドンドンでは決してない・・・っていうか、例えイケイケドンドンだとしても、この見知らぬ人たちに「じゃあ今夜はブギーバックで!(親指立てて!)」って、よう言わんよ。

 

重要なことっていうのは分かっているのだが、出来れば無表情で「性生活を始めて頂いて結構です」とさらっと言った後、何も起こらなかったふりとかしてくれないだろうか。

 

文化の違いを感じるわ・・・。

 

 

最後に気になっていた膀胱の痛みについて聞いてみた。

手術で何らかの傷がついたり、あるいは癒着などが起こっていないか心配だったのだ。

 

専門医は事前に取った私の尿をどっかに持ってって、ソッコー戻って来て、

(ここはさらっと無表情で)

 

ただの膀胱炎です。GPへ行って抗生物質をもらってください

 

3コマ進んでGPへ戻る。

 

人生なんて、こんなもん。

こんなもんだよね笑い泣き

 

さて、再びGPだ(4回目)

 

今回は前回のドクターは避けて、異なるドクターに診てもらう(でもやっぱりインド系)。

 

「膀胱炎で・・」

 

と言うと、すぐに処方箋を書いてくれ、「そこに書いてある抗生物質を5日間飲み続ければオッケー。さ、お帰り下さい」と診察が合計20秒で終わりそうだったので、わざわざ来たのだからどうせならと思って

「実は先日、こちらで血液検査を受けまして、その結果が出てるはずですが、どんな結果だったか教えてくれませんか?」

と聞いてみる。

 

ドクターは目の前のパソコンに何かカタカタ打ち込むと、私の血液検査の結果だと思われるモノがパッとPCに出現した。

 

老眼では詳細は見えないが、何らかの結果が赤字で出ているのがはっきりと見えた。

 

ドクターは私の方を振り返ると、真顔で

 

 

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いや、あるじゃん!!

明らかに赤字じゃん!!

なんで隠すの??

 

「いや、見えます、赤字が見えます。これなんですか?何で赤字なんですか?」

としつこく食い下がると、

「あ~。肝臓ですね、肝臓の数値がちょっとだけ高いんです。でも十分、異常のない範囲内です」

「ど、どうして肝臓の数値が高くなっちゃったんでしょうか?」

 

「酒。あとは脂質や糖質の高い食べ物ですね」

 

さーけーかあああショック

 

やっと、最後の最後になって、一番納得できる答えに辿り着くとは。

 

 

そこは置いておいても。

 

今回はオーストラリアの保険制度の良さと大変さをつくづく思い知らされた。

 

いいところは、オーストラリアは国保で病院の治療費を全てカバーしてくれる点だろう。

 

今回の手術で病院にはビタ一文払っていない。

日本なら同じ内容の手術と2週間の入院で、国保を適用しても約25万円ほどの負担になるらしい (もちろん個人で医療保険などに入っていれば話は別)。

 

しかし、繰り返して言うが、オーストラリアでは専門医に診てもらうまで膨大な時間と手間がかかる。

 

そこのギャップを埋めるためにGPがあり(GPは街中にある)、専門医じゃなくても出来ることはGPがカバーするというのがオーストラリアのシステムなのだが、病院とGPの連携が上手く行ってないように私には思われた。

 

オーストラリアでは専門医も変わればGPも毎回変わるので、何度も説明させられたり、正直「ホントに大丈夫?」と疑ってしまう時が何度もあった。

 

その点、日本ならすぐに専門医に診てもらえて、しかもドクターが最初から最後まで診てくれるし、患者の体調の変化も個々の事情も含めて診断できるので安心してお任せできる。

 

オーストラリアにも私立病院があって、こちらでは専門医が最初から診てくれるらしいが、お値段がそれなりにするらしい。

それなら、市販の医療保険に入ることを考えてしまう。

 

(実際、多くのオーストラリア人が国保とは別に医療保険に加入している)

 

いや、一番いいのは病気にならないことであろう。

 

そんな訳で、今、酒をなるべく控えている。

 

あとGPや医者へ行くとどこか悪いところを発見しがちなので、行くことを極力控えようと思う。

 

T

 

※このブログはAJANTの一会員が個人的な意見を書いているのものであり、必ずしもAJANTの団体としての意見を反映するものではありません。

 

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