法令上の表記・呼称など

法文上の正式名称は、新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置(しんがたインフルエンザとうまんえんぼうしとうじゅうてんそち)だが[63]、2021年4月1日に初めて出された際には、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置(しんがたコロナウイルスかんせんしょうまんえんぼうしとうじゅうてんそち)の名称で公示された[64]。交ぜ書きを避け、法文には使われない常用漢字外の漢字「蔓」(まん)を用いて「蔓延防止等重点措置」と書かれることもある。また、「等」(とう)においては、一般的には「など」と読むこともできるが、この名称においては「など」と読まない[65]。ただし、英語での表記となると、造語のような形になることから、様々な翻訳のされ方があり、決定的な翻訳はない。そのため、様々な言い方・書き方がある。詳細については、後述する。日本語での略称は「マンボウ」[66](まん防[67])。後述の問題もあり、「まん延防止措置」[68]、「まん延防止」[69]、「重点措置」、「まん延防止等」[70]などと4月中旬以降は、政府が「まん防という名称は使わないでほしい」と報道各社に働きかけたことから、マスコミなどで略されている。また、英語での略称についても、日常会話などにおいて存在しているとされる。しかし、いずれにしても略称は人それぞれで、各都道府県知事や、専門家ごとを始めとし、人によって異なりこれ以外にも略称が多数存在[71]するとみられている[72]。

まん延防止等重点措置の英語表記問題

前述の通り、まん延防止等重点措置には決定的な英語表記はなく、様々な翻訳解釈がされている。[73][74]特に、日本にある英語メディアと海外に存在する英語メディアでの翻訳の違いが特に明確である。[75]例えば、japantimes(ジャパンタイムス)や、Googleが公開している機械翻訳サービスのGoogle翻訳での『コロナウイルスの拡散を防ぐためのより厳格な措置 / 対策』を意味する、「Stricter measures to prevent the spread of the virus」[76]や、海外向け放送であるNHKworldでの、『より厳格なCOVID-19(新型コロナウイルス)措置 / 対策』を意味した、「Stricter COVID-19 measures」[77]「Tighter Covid measures」[78]が基本の綺麗な翻訳とされ、そのように表されることが多い。[79][80]その一方で、海外に拠点を置くメディアでは、翻訳が異なり、[81]大手メディアのAP通信では、『緊急で部分的な措置』と直訳で意味する(造語の為、正しい翻訳することが難しく直訳表記)「semi-emergency coronavirus measures」[82]や、『緊急事態手前の措置』と直訳で意味する「pre-emergency measures」[83]と表記されることもある。ロイター通信では、『緊急事態宣言前』(暫定翻訳)を意味する「emergency measures」[84]であったり、『集中的な措置』を意味する「measures focused on specific areas to prevent the spread of the coronavirus」[85]「intensive measures for preventing COVID-19 infection」[86][87]という翻訳もすることがあるが、長文であり、意味が捉えづらいためあまり使われない。[88]
さらに、造語で英語の基本構文(主語+動詞+名詞)を崩したような「Stronger COVID-19 Measures in 〇〇 / Request for an announcement of stronger measures to stop the spread of Novel Influenza, etc 」[89]と訳されることもあるが序列は崩していないため、言葉の意味は理解することが可能である。[90]
首相官邸サイトでは、「疾病の蔓延防止などの優先措置の実施」を意味する「priority measures to prevent the spread of disease」と訳されている[91]。内閣官房新型コロナウイルス感染症対策サイトでは「防止のための優先措置」を意味する「Priority Preventative Measures」と訳されている[92]。政府の日本法令外国語訳データベースシステムの「新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律の概要」の英訳では、「地域に特化したまん延防止措置」を意味する「Area-Focused Intensive Measures for Prevention of the Spread of Infection」と訳されている[93]。
これが、日常会話や略称で表記する際は更に様々な翻訳をすることができる。[94]

略称「まん防」をめぐる問題

前述の通り、2021年4月にまん延防止等重点措置が初適用となることから、マスコミ報道などでは「まん防」「マンボウ」などと略されて記事に記載されることもあった。この略称は内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室や厚生労働省など政府内で同年1月頃に略称を検討した結果、「まん防」となったとされる。検討当初では、「まん重(まんじゅう)」も浮上していたという[95]。この略語がにわかに注目され出したのは、同年3月18日の記者会見で新型コロナウイルス対策分科会長の尾身茂が「まん防」とたびたび発言(平坦なイントネーションではなく魚のマンボウと同じイントネーション)したこととされる[95]。なお、「蔓防」の表記は「蔓」の字が常用漢字外であるため、原則として使用することができない。
道の駅大谷海岸
壁面にマンボウが掲げられている。
しかし、この略称について、イントネーションの関係もあり、魚の「マンボウ」を連想させ、「危機感や緊迫感にかける」と言った批判的な意見もあり、4月1日の参議院議員運営委員会で西村康稔新型コロナウイルス対策担当大臣が「『まん防』という言い方は基本的に使わないようにしている。ちょっとふざけたような雰囲気もある」と発言する[96]など、閣僚・自治体首長から批判が出ており、たびたび使用していた尾身も「『まん防』という言葉の使い方が適切ではない。『重点措置』の方が良い」と略語を使わないことを表明している[95]。また、魚類のマンボウが道の駅大谷海岸のトレードマークになっている宮城県気仙沼市が「(東日本大震災からの)再起を期す道の駅にとってもマイナスイメージとなりかねない」として、同月3日までに、報道各社に向けて「『まん延防止等重点措置』を『まん防』と略すことに慎重になってほしい」と要望する文書を出している[97]。
その一方で、まん延防止等重点措置に乗じて、江戸時代の作品「疫病除けマンボウ」が和歌山市立博物館で展示が行われるなどの反応もある[98]。

緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置に共通する事項

発令基準

緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置ともにあらかじめ学識経験者や専門家の意見を聴いた上で行うこととし[99]、緊急事態宣言は、国が定めた感染拡大の指標である4段階の警戒レベルのうち、上から1番目に当たる「ステージ4」相当で適用し、、上から2番目に当たる「ステージ3」相当で適用する。
さらには、まん延防止等重点措置は、宣言発令前の地域のほか緊急事態宣言解除後の地域も対象になりうる。実例として2021年6月21日に緊急事態宣言が解除された北海道、東京都、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、福岡県の1都1道2府3県がまん延防止等重点措置の対象地域とされている。
また、急速な感染の拡大の兆しがわずかにでも見られるものの、実際に感染が拡大していない場合(ステージ2相当)でもまん延防止等重点措置を適用する可能性があるとしている[3][100]。
政府は、緊急事態宣言を出す前の予防的な措置、感染拡大を一定程度防ぐための措置としてまん延防止等重点措置適用を目指すとみられている[101]。
ただし、都道府県知事からの発令要請を受けた場合は、要請を最大限尊重して、速やかに検討するとともに、要請に応じない場合は、要請を行った都道府県知事に対し、その趣旨と理由を示すことが決められている[102]。
国の示した感染状況への警戒指標[103]警戒レベル疫学状況医療提供体制措置の目安措置解除の目安
ステージIV(感染爆発)感染者が爆発的に増加医療崩壊・破綻・医療的措置継続不能緊急事態宣言相当解除は不可能
ステージIII(感染急増)感染者が急激に増加医療体制の逼迫(地方での崩壊・破綻)まん延防止等重点措置相当緊急事態宣言解除検討・解除相当
ステージII(感染漸増)感染者が徐々に増加医療体制への負担増加(地方での逼迫)緊急事態宣言解除相当
ステージI(感染散発)感染者が散発的に発生通常医療体制(地方での負担増加)その他まん延防止等重点措置解除相当
ステージ0(感染収束)感染者が収束傾向に向かっている通常医療体制参考として記載

発令エリア[編集]

緊急事態宣言は、都道府県単位で発令されるものの、まん延防止等重点措置は、政府が対象とした都道府県の知事が、市区町村など特定の地域を限定することができ、政府が目指している、より限定的・集中的な措置となる[100]。また、期間・区域、業態を絞った措置を機動的に実施できる[104]と、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は説明している。ただし新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定では、緊急事態宣言と都道府県単位で発令しなければいけないという規定はなく、かえって第38条第1項は「その区域の全部又は一部が第三十二条第一項第二号に掲げる区域内(編注 緊急事態措置を適用する区域のこと)にある市町村」と規定し市町村の一部について発令されることを想定した規定をおいており、都道府県単位で発令したのがあくまで運用の話である。また実際の適用においても2021年の緊急事態宣言の対象になったほか軌道は、「全道を緊急事態措置の対象とし、特定措置区域については、より一層の強い対策を行う。」とし、法第45条による酒類を提供する飲食店の休業は、特定措置区域(札幌市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、小樽市、旭川市)にとどめるなど道内で一律でない適用をしている[105]。

発令方法

緊急事態宣言は、政府対策本部長が緊急事態発生と区域、期間を公示し国会に報告しなくてはならないものの[106][107][108]、まん延防止等重点措置では、公示のみで国会への報告は法定されていない[109]。ただし、新型インフルエンザ等対策特別措置法を審議した衆議院内閣委員会(2021年(令和3年)2月1日)及び参議院内閣委員会(同月4日)それぞれの附帯決議において国会への速やかな報告が求められており、決議後担当大臣は「その趣旨を十分尊重してまいりたい」と発言している[110]。ただし、附帯決議に基づく報告は法的拘束力があるわけではなく、それぞれの俗にいう任意のものとなっている[111]。しかし、今までの発令の実例から見ると、全て国会及び付帯決議への報告がなされている。

発令期間

緊急事態宣言は2年以内の発令が可能だが、まん延防止等重点措置では、6カ月以内での発令が可能である[107]。また、緊急事態宣言では、合計1年を超えない範囲で複数回延長することができるが、まん延防止等重点措置は、何回でも延長することが可能となっていて、実質上、緊急事態宣言よりも強い措置ともいえるという見解がある[112]。

営業時間短縮

営業時短要請

緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置ともに、飲食店などでの感染リスクを抑えるため、宣言又は措置の対象である都道府県の知事は飲食店などに営業時間の短縮要請を出すことが可能である。主に午後8時までの時短要請を想定している[3]が、各都道府県知事によって異なっている。[113]

営業時短命令

緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置ともに、営業時間の短縮要請に従わない場合、宣言又は措置の対象である都道府県の知事は飲食店などに営業時間の短縮命令を出すことが可能である。主に午後8時までの時短命令を想定している[3]。また、命令に際して立ち入り検査も可能としていて、それを拒んだ場合は過料も科される。(罰則規定参照)[114] 
びまん延防止等重点措置において、宮城県仙台市の正当な理由なく時短要請に応じなかった15の店舗に対し、5月7日に命令を出していたが、11店舗が命令に違反して、午後8時以降の営業を続けていたということなどから、宮城県は「行政秩序上看過できない」と判断し、同月14日に行政罰として20万円以下の過料を科すよう裁判所に求める通知を全国で初めて提出している。

店舗休業

休業要請

緊急事態宣言では、飲食店などでの感染リスクを抑えるため、宣言の措置の対象である都道府県の知事は飲食店などに休業の要請を行うことが可能であるが、まん延防止等重点措置では、休業の要請を行うことは現在の法律では、出来ない[115]とされているが、まん延防止等重点措置関係なしに各都道府県知事が要請することは可能である。

休業命令

休業要請と同様で、緊急事態宣言では、飲食店などでの感染リスクを抑えるため、指定された都道府県の知事は飲食店などに休業の命令を行うことが可能だったが、まん延防止等重点措置では、休業の命令を行うことはできない[115]。ただし下記のように酒類の提供の終日停止要請はまん延防止等重点措置でも可能とされ、この場合、緊急事態宣言により酒類の提供する飲食店の休業要請と実質的に差がなくなる。

酒類等の提供時間制限

発令中の都道府県ごとに異なる[116]ことが多いが、人が集まることを避けること[117]や、主に飲酒による酔った際に、マスクを外したり、大声で話したりしたことによる感染リスクを回避するため[118]に19時から21時前後で酒類の提供時間を制限することが可能である。ただ、緊急事態宣言のように酒類の提供を禁止することは出来ないとされていたが、酒類の提供を停止するように要請する事は可能になっていて、このような事案は、まん延防止等重点措置の発令中に提供を停止する要請がなされなかったことから周知されていなかったものとみられる。法文上にも、酒類の制限については具体的な明記が他と比べ少なく、それも原因であるとみられている。宮城県の要請以降は、他県でも禁止の要請が行われるようになっている。しかし、緊急事態宣言のように、強い効力は一部の専門家の間では、無いとされていて、具体的な効果については不明である[119][120][121][122][123]。

店舗名公表

時短営業要請に応じない店舗では、店名の公表が可能である(第31条の6第5項、第45条第5項)[124]。この規定は2021年の改正前には、緊急事態宣言による時短営業要請に応じない場合に「公表する」となっていたものが、店舗名を公表することで、「開いている店舗」を公表し、人を集めるという弊害が生じたため改正されたものである[125]。

施設使用

施設使用停止要請・命令

緊急事態宣言では、イベントなどで使用する施設の使用を停止する要請が可能で、従わない場合は命令を発することもできるが、まん延防止等重点措置では要請・命令は出来ない[126]。

外出規制

外出自粛要請

緊急事態宣言下においては法第45条第1項に基づく「生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないこと」の要請が可能だが、まん延防止等重点措置の場合は、法第36条の6第2項の「新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力」として外出自粛要請を行うことになるそのため報道では、まん延防止等重点措置では、「緊急事態宣言のような大規模な外出自粛を要請することは出来ず、普段から行っている都道府県知事や各自治体の市区町村長の外出の自粛を要請できるような小規模な大きな影響力を持たない要請のみに限られる[127]」としているものもあるが法的に必ずしも明示されていない。

外出禁止要請・命令

緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置ともに、外出を禁止する法的拘束力があるようなことを行うことは法律上でも出来ない[127]。

発令区域においての行動

  • 時短要請がされている時間帯に飲食店にむやみに出入りしないこと
  • 不要不急の外出・移動の自粛
  • 混雑している場所や時間を避けて行動すること
が求められている[128]。

発令中の行政及び施設においての基本感染対策ガイドライン

政府は、発令中の区域においての感染防止対策についての、ガイドラインをまとめていて、主に
  • 飲食店における20時までの営業時間短縮要請(酒類の提供は、まん延防止等重点措置の場合19時まで、緊急事態宣言は終日停止)
  • 各都道府県全体でのイベントの人数制限
  • アクリル板の設置を含めたガイドラインの遵守の徹底
  • 感染拡大地域におけるモニタリング検査の拡充
  • 高齢者施設等の従業者等に対する検査の頻回実施
など、普段の基本的な感染対策よりも一層踏み込んだ感染対策を行うことが求められている[129]。

発令中の感染対策

飲食店での対応

  • まん延防止等重点措置の場合、各都道府県知事が定める期間や措置区域においては、飲食店などでは20時まで営業時間の短縮をし、酒類の提供は11時から19時までとすること。緊急事態宣言はの場合、飲食店などでは20時まで営業時間の短縮をし、酒類の提供は終日停止。
  • 昼カラオケなどでクラスター(感染者の集団/集団での感染)が多発している状況などから、昼営業のスナック、カラオケ喫茶など、飲食を主として営業としている店舗において、カラオケを行う設備を提供している場合、カラオケ設備の利用は自粛すること
  • 各都道府県から飲食店に対して、「入場をする者の整理など」「入場をする者に対するマスクの着用の周知」「感染防止措置を実施しない者の入場の禁止」「会話等の飛沫による感染の防止に効果のある措置(飛沫を遮ることができる板(アクリル板やパーティション(パーテーションとも))などの設置または、利用者の適切な距離の確保(ソーシャルディスタンス)」などの措置の要請があった場合は、協力すること

大規模施設での対応

  • 大規模な集客施設において、各都道府県から営業時間や入場整理などについて働きかけがあった場合は、協力すること
  • 業種別ガイドラインの遵守し、原則として措置区域内の全ての飲食店等に対して実地で働きかけを行い、ガイドラインを遵守していない飲食店等については、個別に要請を行うこともある

住民の対応

  • 住民は、時短要請がされている時間帯に、飲食店にみだりに出入りしたり、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛や混雑している場所や時間を避けて行動し、感染対策が徹底されていない飲食店の利用は自粛する

イベントでの対応

  • 知事が定める期間及び区域で行われる催物)については、主催は、が定した規模要件に沿って開催する

会社・勤務先での対応

  • 事業者は、職場への出勤等について、「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を徹底すること
など、様々な緊急事態宣言下と同じような厳しい感染対策が求められている[130]。

罰則(過料)規定

緊急事態宣言では、都道府県の知事の要請や命令に特段の理由がなく応じなかった場合30万円以下の過料(行政罰)が科される、まん延防止等重点措置では、20万円以下の過料が科される[115]。具体的には、飲食店などの事業者が、都道府県知事から出る時短要請などに「正当な理由なく」応じなかった場合に科されることがある。ただし、過料の適用に当たっては、国民の自由と権利が侵害されることのないよう、慎重に運用することと、不服の申立てや、その他の救済の権利を保障することも定められている[131]。

協力金

緊急事態宣言の時に営業時間の短縮要請に応じた飲食店には1日最大6万円の協力金がしはらわれるが、まん延防止等重点措置発令時においては当初、1日最大6万円の協力金を当初は支払う方針だったものの、一日最大4万円の協力金に減額となった。[3][132][133]。都道府県によって異なることもある。

感染者の入院

宣言又は措置の発令時に限らず、その他の場合でも適用されるが、入院を拒否したり、入院先から逃げたりした場合、その感染者に50万円以下の過料を科すことにされている[134]。しかし、医療現場で円滑に運用がなされるように、その手順などを分かりやすく示すとともに、適用についての具体的な例など、適用の適否を判断する材料をできる限り明確に示し、宿泊施設や感染者の自宅などの状況も含め、本人や、その子供や高齢者などの生活維持に配慮するとともに、必要な対応を行うことも定められている[135]。

臨時医療施設の設置

緊急事態宣言中は臨時の医療施設を設置できるが、まん延防止等重点措置発令中にはできないものとなっている[136]。
臨時の医療施設に関しては、国などが強制して設置できるものではないとされていて、実際に強制設置された例はない。

疫学調査

宣言又は措置の発令時に限らず、その他の場合の場合でも科されるが、保健所が感染経路を調べ、濃厚接触者の特定や感染源を調べたりする「積極的疫学調査」を拒んだ場合は30万円以下の過料とした[137]。ただし、ポリメラーゼ連鎖反応検査ポリメラーゼ連鎖反応(俗にいうPCR検査)などの検査拒否につながるおそれや保健所の対応能力も踏まえ、慎重に行うこととし、現場で円滑に運用がなされるよう、その手順などを分かりやすく示すとともに、適用についての具体例など、適用の適否の判断材料をできる限り明確に示すことも定めている[138]。

病床確保

宣言又は措置の発令時に限らず、その他の場合でも適用されるが、新型コロナウイルス入院患者病床の確保のために厚生労働大臣などが医療機関に勧告したり、それに応じない機関名を公表したりできるようにした[139]。

その他

政府は、宣言又は措置の対象地域では、施設従業員の検査受診を勧め、マスク着用など感染防止に必要な措置をとらない人は入場を禁止する措置をとると発表した[3]。ただし、原則として立入先の同意を得て行うこととして、同意が得られない場合も物理力の行使などは行わないことが定められている[140]。

人流移動問関する題

まん延防止等重点措置をめぐり、隣接する対象の武蔵野市と対象外の三鷹市は、JR中央線三鷹駅を境に南北で分かれ、対象外の南側では人出が目立つなど、対象区域の線引きの難しさが浮き彫りとなっている[141]。同様の問題はJR総武線津田沼駅(船橋市・習志野市)やJR横浜線町田駅(町田市・相模原市)などでも発生し[142][143]、特に町田駅のケースは、東京都と神奈川県に分かれるため、緊急事態宣言においても発生している。

まん延防止等重点措置の効果

宣言又は措置の効果をめぐり、効果があると無いのとで議論が分かれている[144]。真っ先に発令された大阪府では、発令当初の感染者は600人前後だったものの、効果が出るとされていた2週間後には、1000人を超えるような感染者を招いたことなどから[145]、感染拡大防止に何ら効果は見られなかったとされている。ただ、一方でまん延防止等重点措置の効果があったことから、1000人程度の感染で抑えることができた[146]という意見もあり、実際の感染防止効果ははっきりしていない。また、まん延防止等重点措置を長期間発令することで、経済状況はより悪化し、飲食店を中心に求人募集だけでなく、正社員の募集も減っていく傾向があり、今後の転職業界は求人情報の職種バランスに変化が生まれる可能性があることなど、社会経済への効果は、悪影響が多い。[147]

憲法違反の可能性

憲法学者から、まん延防止等重点措置による時短営業命令が、違憲である可能性が指摘されている。十分な支援措置で時短命令に応じるよう事業者を誘導できるなら、過料による制裁は、過剰規制として、日本国憲法第22条の職業選択の自由の『営業の自由』を侵害し、違憲と判断される可能性があるとしている[148]。

  • 最終更新 2021年6月20日 (日) 13:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。