8月10日「山の日」ですね!
※例年は11日ですが、今年は五輪閉会式の都合で10日に変更されました(ご承知のとおり五輪延期の関係で、来年の山の日は9日に変更だそうです)。
「山の日」にちなみ、山と歴史(山岳信仰や神社)に関係する過去picを投稿します。(過去に忌部が撮影したものです。忌部は登山家でもあります。)

① 白山(2016年撮影)[写真1枚目~3枚目]
白山は、石川県と岐阜県にまたがる山です。「日本百名山」、「日本三霊山」、「日本七霊山」の1つに数えられ、修験道の霊場でもあります。717年に泰澄という修験僧が開山したとされています。御前峰が最も高いピークで、標高は2,702m。山域は白山国立公園に指定されています。山頂には複数の火口湖があり、千蛇ヶ池はその半分弱が、多年生雪渓(夏になっても解けずに残った雪)に覆われていました。パノラマも美しく、北アルプスの峰々や富山湾が一望できます。
また、白山は山自体が、白山比咩神社(加賀国一宮)の御神体でもあります。山頂には同神社の奥宮が鎮座しています。雲海と祠のコントラストが神秘的でした!
白山の神は、シラヤマヒメノ神やククリヒメノ命といって、『日本書紀』の「一書」(あるふみ=「本文」ではない別バージョン)に登場します。イザナキの黄泉国訪問の伝承において、イザナキとイナザミを仲直りさせた神とされています(『日本書紀』本文や『古事記』では、仲違いしたままです。)。

② 伊吹山(2018年撮影)[写真4枚目~6枚目]
滋賀県と岐阜県にまたがります。標高1,377mで、「日本百名山」、「新・花の百名山」の1つで、修験道の霊場でもあります。山域は、琵琶湖国定公園に指定されています。標高は低いですが、眼下に琵琶湖を一望できるという滋賀県ならではの景色が広がります。ちなみに関ヶ原や濃尾平野も見えますよ。また、高山植物のお花畑も広がっていてとても綺麗です。9合目まで車で来ることができるので、登山者より一般観光客の方が多いです。
山頂には、ヤマトタケルノ尊(景行天皇皇子)の像があります。『古事記』のヤマトタケルの東征伝承において、ヤマトタケルが伊吹山の神との闘いに敗れるという話があります。その神の姿は、白猪や大蛇だと伝わっています。伊吹山も泰澄が開山したとされ、古代には仏教(密教)と融合した山岳信仰の寺院が建てられたこともあったそうです。その名残かどうか分かりませんが、山頂には仏像の祀られた祠が何か所かあります。

③ 石鎚山(2019年撮影)[写真7枚目~10枚目]
愛媛県にある山で、西日本(&四国)の最高峰。天狗岳が最も高いピークで、標高は1,982m、山域は石鎚国定公園に指定されています。「日本百名山」、「日本七霊山」の1つで、修験道の霊場でもあります。685年、役小角による開山と伝わっています。
石鎚山の登山では、「これぞ修験の山だな」と体感しました。90度近い斜度を、鎖を使って登るルートがあるのです。鎖を踏み外すと滑落して即死。20kg近いザックを背負いながらだったので腕もパンパンでした。鎖場を何か所かクリアし、山頂にたどり着くと、死への恐怖よりも生きていることを実感しました。
山頂手前の弥山には、石鎚神社山頂社があります(山麓に石鎚神社本宮口之宮、登山口に中宮成就社があります。御祭神はイシヅチヒコノ命)。早朝、御来光前に、他の登山者や体験修験者ら一同で神職さんと共に神事に参加し祝詞を奏上しました。南は室戸岬や土佐湾(太平洋)、北は瀬戸内海とパノラマ最高でした。グロッケン現象も見ることができました。

さて、登山においても、新型コロナウイルスの影響で、基本的な安全登山+感染症対策という「これからの新しいスタイル」(日本山岳ガイド協会より)の登山が必要とされています。今後は、安全と感染症対策に気を付けながら、登山ができればと思います。2020年、どこかで登山ができればまた写真を投稿したいと思います!

帰省自粛が叫ばれていますが、新型コロナウイルスや熱中症対策、レジャーでの夏の事故防止に心がけながら、楽しいお盆にしましょう!

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