今回は平日、しかも年度末で太陽光の駆け込み需要に皆大わらわだったこともあり、広報の五ノ井が単身で観劇。代表の折笠も、先の講演会会場や「ひまわり甲子園」の際にダンスを間近で観た物江、鈴木、清水らも本当に残念がっておりました。
一度ダンスを観たら、舞台もちゃんと観たい!と思ってしまうパワーが息吹にはあります。ですが我々悲しいかな、泣く子とお客様とメーカーの研修には勝てないのでありました…。
「本日は息吹公演のためお休みです」をカレンダーに組み込めるような粋な会社にいずれ成長したらな。
しかし今回五ノ井には重要なミッションがありました。協賛広告のイラストを、もしよければ記念に差し上げたいのですと息吹公演事務局にご連絡したところ、それならば本番前に幕を下ろしたステージ内で行われる「気合入れ」の際に子供たちに渡して下さい、とお申し出を頂いたのです。
「気合入れ」に立ち会える…!そんなチャンスあるものでないぞと鼻息あらく二つ返事でお応えしたものの、よく考えたらそんな大層な絵じゃない…小さいし…。ということで前日に慌ててもう一点描きました。

春だから春の絵です。人数少ないし色々違うので結局ごめんなさい。でも喜四郎の目はキラっキラに描けたので許して下さい。
(下村さんが「こんなに男前かあ?」と仰いましたが、歴代喜四郎、男前ですよ)
そして当日。
開演30分前、子供たちが舞台に集まりました。

その後下村さんより、絵を贈って頂きましたとご紹介頂きました。すごく恥ずかしくてモゴモゴ(←何しに来たのだ)。
そして全員で声を合わせて掛け合いをします。漁師さんが漁に出る前に行ったものだそうで、全員の声が揃わない=心がひとつにならなかった場合、漁に出なかったのだとか。幕の向こうのお客様にも伝わったであろう迫力。私も前回の南会津では客席でびっくりしていましたが、こうして立ち会わせていただくとさらに、

胸が熱くなります。
気合入れが終わり、ロビーどっちや…と楽屋前の廊下をウロウロしていたら通りがかった子供衆の女の子たちが「ありがとうございます!」ととても元気に声をかけてくれて、ほんとに大したものだ…しっかりしている…と、また胸熱。
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今回は舞台に近い席でよりダイナミックさを間近で感じられました。南会津の時はフィナーレで客席通路まで子供たちが出てきて踊り、それも良かったのですがつい目の前の子に目を奪われてしまってました。今回はより全体を観ることができ、2度めでもやはり感動。自分も含め、周りのお客さんたちも手拍子、拍手、本気でやっていたと思います。彼らの本気を本気で受け止めているよ!ということを示すためには、こちらも本気で手拍子をしなくては。そうして乗ったほうが観ていて心から楽しいです。
卒業生4人はこれで見納めだと思うと感無量。踊り上手なメンバーたちの中にあってひときわ動きがキレっキレな喜四郎役の涼太くんの踊りが見られない…詩織ちゃんの泣かせる芝居が見られない、真以ちゃんも踊り上手いし優くんも存在感あったな、と思うととても名残惜しい。切ないものですよ。
ほか細かい感想。
・はじまる前に子供衆の女の子たちが、上演中のマナー(飲食、携帯、撮影禁止等)についてかわいく説明してくれるんですが、ちょっとした腕の振りもすごくしなやかで、見ていて惚れ惚れしました。彼女らに比べたら私なんかカカシです。
・敵役である山田八郎兵衛と舎弟、もとい腰巾着の郷頭たち。郷頭のコミカルさは大事なアクセントですね。ひときわわかい子がイキがったセリフを発するたびに「出た!ちびっ子ギャング!」と思いニマニマします。
八郎兵衛ひどい奴…と思い観ていましたが、喜四郎斬首の場面で刀をひらめかせている姿とても格好良いです。悪の華、と思いました。
・喜四郎が江戸へ向け雪の山越えをするシーン、雪が降るような照明効果よかったですね。天井の高い大きな舞台だと、こういう舞台演出もきれいですね。
・大川渓流太鼓保存会の演奏があってこその迫力。彼らも高校生なのにすごい。
・上演前のお話で、下村さんが、劇中で使っている蓑や笠は喜四郎の子孫の方が作ったものだと仰っていました。喜四郎たちは実在したんだ、その血は現在まで繋がっているんだと思うと感慨深かったです。そんなお話を聞いて舞台を観ると、儀右衛門に子供が生まれて皆が喜ぶとか、そういう場面がいとおしくなりますね…。
今回贈った絵は「喜四郎たちにもこんな春の日があったろうな」と想いながら描きました。ふつうの日常を送っていた農民たちが、命をかけて家族や村人、後の世の人のために立ち上がったってすごいことだ…。
自分の先祖、郷土の祖先のことを想うことは私自身はほとんどなかったのですが、息吹の子供たちは先祖や郷土のことを想いながら一生懸命舞台を作り上げているんですね。
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で。感動して見終わったわけです。子供たちはそのままロビーでお客さんのお見送りをします。私これをほんとに楽しみにして行ったんですよ。卒業メンバーの写真撮らせてほしいなと。あっでもまだアンケート書いてなかった、と客席に残って感想を書いておったわけです。はりきって。そしたら、ロビーから聞こえてくる子供たちの声がだんだん静かになっていくわけですよ…
そしてロビーに出たら、お見送り終わって、みんな楽屋に引き上げるところ。でした。
うっそやあああああああんん…。
これを書いてる今も、思い出して涙目です。落涙しそうです。これほど自分のグズさを呪ったことはないです。
ただ一つ救いは、若いお嬢さんが「協賛広告にイラスト書いてくださった方ですよね?」と話しかけてくださったこと。そのお嬢さんこそ、数年前まで天女様を演っていた卒業生で、パンフレットや公式サイトのかわいく華やかなイラストを描いている方でした。今回のパンフレット、イラストがレベルアップし一新されていてすごい!プロに発注しているのか?と思っていたのです。卒業生だったとは。どうりで愛がこもっているはずです。彼女はダンスも出来る上に絵も描けるということか…。
お互いのイラストの健闘を讃えあうことができました。しかし…見送り…。
というわけで一番欲しかった、肝心な、子供たちの笑顔を納めた写真がありませんです。無念。
長くなった上に「無念」でおわりすみません。しかし『息吹』を知らない人、知っているけど観にいくかどうか決めかねている人に少しでも届けばと思い、レビューのつもりで書きました。
自分は太陽光発電の広報というのは表の姿で、本当は世界征服を目論むイラストレーターです。芸術と美しいものが好きです。いくら息吹の子たちが頑張っていても、「頑張りは伝わるけど、まあ、子供の舞台ね」であれば自腹で観に行ったりしません。
息吹は本当にカッコイイです。華やかでキレイです。音楽も衣装も素敵です。何度でも言いますがカッコイイ。私にとっては「会いに行けるアイドル」ですよ、全員が。
会場は息吹の子たちのお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん世代の人が多くて、10代後半~20代、30代くらいの、いちばん観るべき世代層がまだ少ないと思いました。自分の夢を追いかけている世代は、観たら絶対やる気をもらえます。息吹のみんなに負けないように私も頑張ります。
