経木塔婆の書き方 | 会津高野山八葉寺 冬木沢詣りのブログ【公式】

会津高野山八葉寺 冬木沢詣りのブログ【公式】

福島県会津地方の「会津高野山八葉寺」は、夏になると「冬木沢詣り」で賑わいます。「冬木沢詣り」は毎年8/1から8/7までの一週間。公式HPで伝えきれない、こまかい情報を中の僧侶からお届けいたします。

冬木沢参りまであと一週間。
すこしずつ準備も進み、周囲も慌ただしくなってきました。
10人前後の僧侶が約10日間おこもりしますので、そのための物資を揃えなければなりません。

今回は、みなさんが本堂でおもとめになり、奥の院にお納めになる、経木塔婆の書き方です。
奥の院に机とペンが用意してありますので、そこで経木塔婆にご記入し、おこころざしをそえて、奥の院の僧侶に納めて下さい。経木塔婆を正しくお納めすることで、お迎えが完了します。

その書き方について、なかなか難しいというご意見をいただきます。
なので今年は下の写真のようなパネルを作って、奥の院に掲示することにしました。イイ出来です(^O^)/
塔婆の書き方

小さいほうの経木塔婆は、亡くなった方個人に対してあげるためのものです。右下に、故人のお戒名や法名、神名など「あの世でのお名前」を記入します。失念している場合は俗名でも結構ですが、なるべくわかるようにしてお参り下さい。左下には、その塔婆をおもとめになった人のお名前を書きます。この「施主」というのは喪主のことではなく、今日、ここで、故人を供養したい人のお名前になります。ゆえに実際に喪主をつとめた人でも、そうでない親戚でも友人でも構わないということになります。

大きいほうの経木塔婆は、ご先祖代々のお塔婆です。
右側は「◯◯に住んでいる(いた)◯◯家の先祖代々供養のために」という「◯◯」という箇所を記入します。例えば、参詣した人が、会津若松市白虎町に在住している(していた)田中家の先祖代々を供養したい場合、「白虎町」「田中」とそれぞれ空欄に記入します。左下には、小さいほうの経木塔婆と同様に、その塔婆をおもとめになった人のお名前を書きます。

古来、お盆をむかえて、ご先祖さま銘々があの世からこの世にお帰りになるときは、冬木沢の地をお通りになると伝えられています。その時にそなえ、あらかじめ経木塔婆を冬木沢の地に納める(=立てる)ことにより、経木塔婆が道しるべとなって、無事確実にお帰りになられると考えられています。ただしこの道のりは、初めてのお盆(新盆)を迎える精霊にとっては初めての道のりです。縁故の者のお迎えがあれば、きっと心強いことでしょう。

普段でもわれわれは、大切なお客様の場合、家で待つのではなく途中まで迎えに行くと思います。ご先祖さまは何より大切なお客様。途中である冬木沢まで迎えに出る美風は大切にしたいものです。