BBCによると、日本時間6日午前0時の時点で、労働党は解散前の206議席から倍増し、412議席を獲得。トニー・ブレア氏が党首として臨んだ1997年総選挙の418議席に匹敵する大勝となった。解散前345議席だった保守党は121議席で、1918年以降の総選挙で最少だった97年の165議席を下回った。リズ・トラス元首相やグラント・シャップス国防相らが落選したことは驚き。保守党の自爆だ。

 

スターマー氏は労働党が大敗を喫した2019年の前回選後に党首に就任し、現実路線を打ち出して党の立て直しを図り、政権交代の必要性を訴える主張が受け入れられた。不祥事などで首相交代が相次ぎ、信頼を失った保守党には、長引く経済低迷や物価高騰、移民の増加に対する不満も向けられたという。

 

英国の欧州連合(EU)離脱運動を推進したEU離脱党が前身の反移民政党・改革党は4議席を獲得し、党首のナイジェル・ファラージ氏が初当選した。中道派の自由民主党は解散前の15議席から大幅に議席を増やした。保守党に不満を抱く保守票が自民党と改革党に奪われたということである。

 

バーク保守主義はフランス革命により提示された〈社会契約〉ではなく、〈本源的契約〉を重視する。 多年にわたり根本的に保持してきたものの中に本源的契約の存在を見、その表れである祖先から相続した古来からの制度を擁護し、それを子孫に相続していくとする政治哲学である。立憲君主制そのものだ。

 

「保守とは伝統の上に創造・秩序の中に進歩である」という。英国保守党は移民政策やめて、LGBTの推進もやめ、古き良き英国を取り戻すことが英国民の信頼を獲得できると思う。世界中がグローバリズムに毒されている。それらに対抗できるのは伝統的保守しかないのである。