中国商務省と税関総署は20日、電気自動車(EV)の主要材料であるグラファイト(黒鉛)について12月1日から輸出を許可制にすると発表した。中国が世界生産の3分の2を占め、日本や欧州のEV関連企業が調達難に。

黒鉛は電気自動車(EV)向け電池に使用され、中国は世界最大の生産国。米地質調査所によると、世界の供給量の67%を占める。同省は、世界のサプライチェーン(供給網)と産業チェーンの安全性と安定性を確保するためでもあると説明。また、特定の国を標的にしているわけではないとも付け加えた。

コンサルティング会社、我的鋼鉄(マイスチール)のアナリストは今回の措置について、航空宇宙分野などの軍事用途やバッテリー製造のために国内供給を確保するものだと指摘。「多くの新エネルギー企業がますます海外に工場を建設しているため、EV材料の流出に対する制限だ」と語った。ここが重要だ。

中国は半導体の材料となるガリウムとゲルマニウム関連製品にも8月から同様の輸出規制を導入している。今回の規制は中国企業の事業慣行を巡り外国政府が圧力を強める中で発表された。欧州連合(EU)は中国製EVへの政府補助金を巡り調査しており、米政府は対中半導体輸出規制を今週拡大しているぞ。

中国は自国の資源を使い、戦略物資にしている。中国と欧米日本との経済・貿易戦争はおこなわれている。高市早苗経済安保相の出番である。岸田媚中派政権の対中土下座外交では、日本の国益が損出してしまう。