陸上自衛隊の地対空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾(中SAM)」(陸自提供)

日本を狙う弾道ミサイルを迎撃する「弾道ミサイル防衛(BMD)システム」に関し、政府が2031年度末までに目指す増強計画の概要が4日、判明した。地上の迎撃網を強化するため、新たに陸上自衛隊の14の地対空部隊にミサイル迎撃能力を付与。特に中国に備える南西諸島を重視し、沖縄県の6部隊、鹿児島県・奄美大島の1部隊に配備する。既存の沖縄本島にある航空自衛隊の4部隊と合わせ、3倍近い計11部隊の態勢となる。

 年内に策定する国家防衛戦略(現防衛計画の大綱)などに盛り込む。政府はBMDだけでミサイルを防げないとして反撃能力を検討しており、計画との関係を問われそうだ。共同通信

 

03式中距離地対空誘導弾は過去にはパトリオットPAC2と同等の兵器といわれる。改良を重ねて米国のTHAADと同等の地対空誘導弾を陸自は目指す。空自は米国のパトリオットPAC3MSEを空自飛行場等に配備。

自衛隊の迎撃ミサイルは、イージス艦は、SM2、SM3、SM6。空自はPAC3MSE、陸自は03式中距離地対空誘導弾、11式短距離地対空誘導弾である、これらで弾道ミサイル、巡航ミサイル、敵機、ドローン、無人機に対処する。

 

03式中距離地対空誘導弾は、THAADミサイルを目指す。THAADは、敵弾道ミサイルが、その航程の終末にさしかかり、大気圏に再突入の段階で、ミサイル防衛により迎撃・撃破するために開発された米国の迎撃ミサイルである。