保守主義の祖であるバークは、仏蘭西革命との知的・政治的対決を通して保守主義政治哲学のプロトタイプを確立したバークのなかに、われわれは、政治の本質が妥協にありその主要な役割は革命とそれにともなう血腥い暴力の噴出を未然に防ぐことにあるという。きわめて明瞭な政治用語論を見出すのである。

 ただ、バークにおける政治は、あくまでエリートによる統治であった。統治はそれにふさわしい資質と能力を備えた少数者に委ねられるべきであり、その任に耐えられるのは世襲貴族と「自然の貴族」(傑出した学識、鋭い政治的洞察力や判断力、類まれな実行力などの故に政治的リーダーシップを期待することができる人々)だけである、とバークはいう。「参考 公共政策学入門 足立幸男」p 45頁。