18日、ベラルーシの首都ミンスクで、政府庁舎前広場に集まりルカシェンコ大統領の退陣を求める集会(タス=共同)

ロシアの隣国、ベラルーシが揺れている。9日の大統領選では26年間にわたって独裁体制を敷くルカシェンコ大統領の再選が発表されたが、不正選挙を訴える多数の国民がデモに繰り出し、再選挙などを要求しているのだ。

 ベラルーシは国外メディアに選挙の取材許可を出さなかったので、私はやむなく現地在住の専門家に電話取材したのだが、音声が劣悪で接続も切れる。相手は「特定の個人名を何度も出したため、盗聴していた治安当局に切られたのかも」と苦笑していた。真相はともかく、権威主義国の監視体制の怖さを感じた。

 盗聴が疑われる事例はロシアでも経験した。東京本社との電話中、上司がなぜか何度も同じ言葉を繰り返し、妙に思った。どうやら録音された会話が電話中に再生されたようだ。かけ直すと正常に戻った。原因は治安当局にあるのか、電話会社にあるのかは分からない。ただ、在露欧米メディアの事務所で盗聴器が見つかった話は最近も聞いた。

 権威主義国は国内外からの政権批判に敏感だ。言論の自由を社会の秩序を揺るがす“毒”とみなし、制限する。しかしロシアやベラルーシでの反政権機運の強まりの背景には不自由への国民の不満がある。政権が国の真の安定を望むなし、制限する。しかしロシアやベラルーシでの反政権機運の強まりの背景には不自由への国民の不満がある。政権が国の真の安定を望むなら、批判を容認すべきだろう。(小野田雄一)産経新聞

 ソビエトから独立したベラルーシが大混乱である。9日の大統領選では26年間にわたって独裁体制を敷くルカシェンコ大統領の再選が発表されたが不正選挙の可能性が高い。ルカシェンコはプーチンに助けを乞うた。