中国初の国産空母が就役 南シナ海管轄の艦隊に配備か 

米中対立

中国で初めてとなる国産の空母が17日、就役しました。

中国軍では2隻目の空母で南シナ海を管轄する南海艦隊に配備されたとみられ、海軍力の急速な増強にアメリカをはじめ各国が警戒を強めています。

国営の中国中央テレビは中国として初めての国産の空母「山東」が南シナ海に面する海南島三亜の軍事基地で海軍に引き渡され、正式に就役したと伝えました。

現地で17日午後、開かれた式典には習近平国家主席が出席し、軍の関係者5000人とともに就役を祝ったということです。

中国軍は7年前の2012年、1隻目の空母「遼寧」を配備しましたが、この空母はウクライナから購入した船体を改修したもので、国産の空母としては「山東」が初めての就役となります。

中国メディアによりますと、「山東」は排水量が6万トン級の通常動力型で、「遼寧」に比べて甲板の面積を拡張して、より多くの艦載機を積載する能力を持つということです。

「山東」は周辺国と領有権の争いがある南シナ海の海域を管轄する南海艦隊に配備されたとみられ、さらに3隻目の建造も進めれているとされていて、海軍力の急速な増強にアメリカをはじめ各国が警戒を強めています。

中国の空母建造計画とは

中国は「世界一流の海軍の構築」を掲げ、将来的に少なくとも4隻の空母の保有を計画しているとみられています。

中国軍は1隻目の空母としてウクライナから購入して改修した「遼寧」を7年前の2012年に就役させ、今回の「山東」に続く3隻目の空母を現在、上海で建造していると伝えられています。

中国軍は空母の作戦能力の向上にも力を入れていて、東シナ海や南シナ海で「遼寧」を航行させ、艦載機の発着艦などの実戦を想定した訓練を繰り返しています。

また大手の国有企業は去年、初の原子力空母の開発を進める計画も明らかにしていて、将来的には中東やアフリカなど中国から離れた遠洋での権益の確保と影響力の拡大をねらっているとみられています。

中国は南シナ海を軍事拠点化

中国は南シナ海のほぼ全域の主権を主張して、人工島などに軍事関連の施設の整備を進めていて、アメリカや周辺国は軍事拠点化への懸念を強めています。

中国は2014年以降、南沙諸島=英語名・スプラトリー諸島に人工島を造成し、滑走路やレーダー設備、兵舎とみられる建物などさまざまな施設の整備を進めています。

アメリカのシンクタンクの分析では、対艦ミサイルや対空ミサイルも配備されたと指摘され、長距離巡航ミサイルを搭載できるとされる爆撃機「H6K」を格納できる格納庫も完成させたとしています。

また中国が実効支配する西沙諸島=英語名・パラセル諸島でも、岩礁で情報収集用とみられる新たな設備の建設が確認され、付近を航行する艦船の電波などを収集する軍事的な目的があると分析されています。

さらに西沙諸島では複数の爆撃機の離着陸訓練が確認されるなど、中国軍は南シナ海での航空機や艦船による演習や訓練を活発化させています。

これらの指摘に対して、中国政府は「必要な防御施設を建設している」として防衛目的だと主張していますが、アメリカは南シナ海の軍事拠点化を進めていると批判しています。NHK

 中国が国産空母を就役させたことは自由なインド太平洋を構築するには重大な脅威である。でも、日本は空対艦ミサイル、艦対艦ミサイル、地対艦ミサイルを開発・改修すれば自衛隊の標的になるだけである。