今日の東京は朝から「いつ降ってもおかしくない」空模様・・・。
そんな中、ちょっとした所用で早朝から立川方面にお出かけした。
「ちょっとした用事」と遠慮がちに書いたが、実際はかな~り重要な要件だ。そうじゃなければ、日曜日の早朝から、しかもこんな天候の中外出したりする私では無い・・・。
立川方面と言っても、今回の目的地はJR立川駅からだとモノレールで2駅乗らねばならない。
またその場所は、西武新宿線の玉川上水駅からバスで数分乗っても到着出来る。
我が家からだと、我が生息地・山手線O塚駅から高田馬場駅経由で西武新宿線で向かった方が、若干ではあるが近いようだし、運賃も微妙に安くつく。
ということで、通常私は西武新宿線を利用して本日の目的地に向かうことにしている。
東京近辺に在住の方はご存じだと思うが、この西武新宿線という電車は、その名の通り西武新宿駅を始発とする電車で、終点は観光地としても有名な「小江戸」の異名をとる川越方面だ。(途中、支線に乗り換えれば西武球場にも行ける)
面白いのは、始発の西武新宿駅だ。
「新宿駅」という名前ではあるが、あの大きなJR新宿駅からは結構離れていて、乗り換えは大変不便である。(西武新宿駅は、あの日本一の歓楽街・歌舞伎町の脇にある)
なので、JRから西武新宿線に乗り換える場合、新宿駅での乗り換えでは無く、JR山手線と西武新宿線の接点がある高田馬場駅を利用することが一般的なのだ。(西武線では、始発新宿駅の隣が高田馬場駅だ)
勿論、今日の私もご他聞に洩れず、高田馬場駅で西武新宿線に乗り換えた。
高田馬場駅から、目的地である玉川上水駅は直通で35分の道のり・・・結構長い・・・。
普通の電車なら、始発から乗らないと座席に座ることはなかなか難しいかも知れないが、この西武新宿線の場合は、上記理由により新宿駅からの乗客は極端に少なく、ここ高田馬場駅に電車が到着した段階では殆どが空席に等しい。なので、安心してホームで準急を待っていた。
待つことしばし・・・予定通りガラガラの準急がホームに滑り込んで来た!
しかし、通り過ぎる前方車両の中を覗いてみて、私は愕然とした。
ひと車両に乗っている乗客は数人ほど・・・案の定、西武新宿駅からの乗客が少ないのは結構だが、その半分程度の人間は、席に座っているのではなくて座席を占領して横たわって寝ていたのだ!
西武新宿駅を発車してまだ3分・・・その大半は既に爆眠状態・・・
ゆっくりと動く車窓から確認出来る彼らは、殆どが20歳代の男性のようだ。
まだ行儀の良い方の男性は、脚を曲げて寝込んでいるから、3席分占領する程度だが、傍若無人な輩(やから)になると、まるで簡易宿泊所と勘違いしているように、のうのうと足を伸ばして既に夢見心地状態・・・そうなると5・6席も占有していることになる。
こういう光景が、ほぼ全車両(少なくても私が乗車して6両目まではそうだった。残る2車両は不明)で見られたのだから、これは驚きだ!
先程も書いたことだが、西武新宿駅は歌舞伎町の入り口に隣接されている駅。
そしてこの電車は日曜日の朝8時過ぎに発車・・・。
おそらく、徹夜明けで朦朧とした男どもが、まだアルコールが体内に残る状態で家路に向かっているのであろう・・・
ついつい足蹴りをお見舞いして座席から転がしてホームに追い出してやりたい衝動にかられはしたが、そこはシラフの常識人・・・その情景を頭の中で想像して楽しむ程度で満足してやることにした・・・。
この電車は、支線への直通運転の準急・・・終点は拝島という駅だ。高田馬場から48分に距離・・・少なくても私と同じ車両に6席を占領して爆眠していた(私に背中を向け、チェックのパンツを見せていた)男子は、私が降りる玉川上水まで、ピクリとも動かなかった・・・生死不明状態・・・結局彼はあと何往復するのだろうか・・・今となっては謎である・・・。
そんな屍の如く横たわっていた男どもをヨソに、電車は走り続ける。
あんなにガラガラだった休日の車内も、中盤に差し掛かったぐらいからにわかに乗客が増えてきた。途中、小学生低学年の児童が数人、そしてその母親達が乗車してきたが、残念ながら空席は無い。
やおら、一人の男子児童が母親に訴え出した。
「お母さん~!座りたいよぉ~!!!」
ちょっと待て!君はこれまで何年人生を歩んできたのだ?
たった数年しか、そのまだ細い脚を使ってはいないだろう?
満員電車に押しつぶされながら毎日通勤するでも無し、
社内で上司に叩かれ、部下に押し上げられ、中間管理職の悲哀を味わっているワケでも無し、
住宅ローンがまだ残っているのに、リストラされるんじゃないかと恐怖に慄いたり、
イヤ・・・まだ、10歳にも満たないであろう子供だったな・・・
じゃあ、「勝ち組にならないとパパみたいになっちゃいますよ!」と教育ママに(死語か?)進学校への受験を無理強いされ、人生のレールを勝手に敷かれ辟易しているワケでも無し、
今現在の彼の悩みといえば、おそらく今夜ハンバーグ食べたいけど、どうかなぁ?とか、
クリスマスプレゼントはどのDSソフトにしてもらおうかなぁ・・・とか、
大人にしてみれば「芥子粒」ほど小っちゃなコトぐらいで、
ストレスなど微塵も無いような分際で、
よくも「座りた~い!!!」だとぉ~?????
図々しいにも程があるとは、コノこと!!!
でも、我が子がこういう風に母親に訴えると、大抵の親は「子供には席は必要は無い」と言うことをコンコンと説くことなどせず、
「席が空いてないんだから仕方無いでしょ?」
とか
「席が空けばいいねぇ・・・」
などと、座ったっきり席を譲ってあげないコチラが悪いかのような物言いをする場合が多い。
それは違うだろが~!!!
昨今の子供たちは、私達の時代と違って体力が乏しいらしい・・・これは数字で表れているようだが、だからと言って電車で大人しく立っていることも出来ない軟弱な子供など、将来が嘆かわしいとしか言いようが無い!
私は、電車の中では必ず座るぞ!と、戦闘態勢で臨むことが多いが、例え無事に座れたとしても私以上に座るべき人が居る場合には必ず席を譲る人間だ。
「私以上に座るべき人」とは、ひとことで言うならば私よりも弱者ということなのだが、その弱者の定義は
高齢者の方
けが人(杖を突いていたり、腕にギプスしているような人)
妊婦(最近はバックに「おなかに赤ちゃんがいます」バッジを付けていてくれるから見分け易い)
その他、具合の悪そうな人
などであって、決して「子供」は含まれていない。
しかし先日、興味深い光景が電車の中で展開されていた。
60歳代の祖母と、30代後半の両親、幼稚園ぐらいの女の子の家族。どうも、これからどこかに遊びに行くらしい。(行楽帰りでは無いので、子供も十分に元気そうだ)
彼らの前の席が1つ空いた。
この場合、私の常識からすれば、座るのは一番年長者の祖母である。
しかし、驚愕したことに、実際に座ったのは女児だった。
しかも、家族はそれが当たり前のことのように子供を席に誘導する。
これまで子供を産んだことも育てた事も無い私が言うのも説得力に欠けるとは思うのだが、最近ってこうなのか?こんなコトも家族が子供に教えないようでは、将来この女児は電車で人に席を譲るなんていう行為は思いも付かないのではないだろうか?
世も末だ・・・。
話はだいぶ逸れたが・・・で、今朝の電車で「座りたい~!」と母親に訴え続けたお坊っちゃま・・・その後たいぶ離れた席が空いたので、勢いよく車内を走って無事に着席していた・・・。母親は、子供と一緒に席方面に行くことは無く、他の母親と私の斜め横で談笑していたが・・・。落ち着き無さそうな男児だが、他人に迷惑をかけないか、親は心配じゃないのか?・・・
そうこうしている内に、小平駅に到着した。目的地である玉川上水まであと少しだ。
この駅は本線への乗り換えなどがあるため、大勢の人が降りて行った。前述の男児も無事に母親と共に降りて行った。
そして、静寂とした車内に、今度はオバサンが2人・・・
年齢的には70歳代半ばから後半ぐらいだろうか???
これから登山にでも出掛けるのだろうか?
今流行りの「山ガール」的な服装をしていた。イヤ、「山オールドガール」か???
このオバサン達、座るとともに、車両中響き渡るような声で喋り始めた。
まずは、地図を広げながら今日の予定を予習だ。
「○○でバスを下りてから、この道を歩いて、で、お昼ご飯はここでおウドンを食べましょうよ!ここのおウドン、とっても美味しいのよ!この間行った時も、クンちゃんが美味しい美味しいって言ってたのよ!」
まだ登山口にも立っていないというのに、既にお昼のメニューの話・・・
まるで、どこかで会ったことのある河原乞食のような人・・・親近感を覚える・・・。
話は続く・・・。
「クンちゃんと言えばね、お嫁さんが大変らしいのよ!」
クンちゃんは男だったのか・・・?
「長男のお嫁さん、ホラ、あそこは同居じゃない?」
私の心の中での質問が聴こえたのかとビックリしたが、別に私に応えてくれたワケでは当然無い。クンちゃんは女性だったらしい。お嫁さんの何が大変なんだ?
「アナタだけに言うけど、最近お嫁さんがパートを始めたらしいんだけど、なんか全然帰って来ないらしいのよ~!」
そりゃ、困ったことだ。帰って来ないって外泊か???
「いえね、残業残業とかで帰宅が毎日6時を過ぎるんだって・・・帰宅してから夕飯の仕度をするから、食べるのが8時近くになっちゃうらしいのよ~!で、クンちゃんが、こんなことが続くようならパート止めさせようかしらって、私に相談してきたのよ~!」
6時に帰宅しているのなら、「帰って来ない」という言い方はどうかと思うが・・・
しかし、クンちゃんは嫁が帰宅するまで夕飯を作ってあげようとか、そういうコトは考えないのか?イヤ・・・他人の家庭のことをとやかく言うのは不本意だが・・・。
静まり返った車内に、唯一響き渡るオバサンたちの声・・・
おそらく私だけじゃなく、多くの同乗者がクンちゃん劇場に聞き耳を立てているハズ・・・
オバサンは「アナタだけに言うけど」と言ったが、もう既に「アナタだけ」では無くなっていることに気付いているのだろうか・・・。
我々が、クンちゃんに今後出会うことは皆無に等しいが、見知らぬ人々にそんな家庭の事情まで暴露されてしまったとは、生涯知らないままでいた方が幸せというモノ・・・。
さて、やっと玉川上水に到着した。クンちゃん劇場はまだまだ続きそうだったが、残念ながら途中終了だ。後ろ髪を引かれるような思いで下車した。
こうして短い「あいぞうと行こう!西武新宿線の旅」は終わった・・・。
(勿論、復路もあるのだが、大したネタは無かった・・・でも車両にやはり横たわる屍が一体あるにはあった・・・まさか朝から何往復もしたワケじゃないよな?)
私の常識が既に化石のように古いモノなのだろうか・・・
少なくても電車の中などでの公共の場所では、決して他人に迷惑を掛けないとか、席を譲るとか、そういうことは当たり前の事だと思っていたのだが、現在の若い親などは、そうじゃない人が多く存在するようだ。
電車の中で化粧をすることに対する是非を問うたアンケートが以前ヤフーであったが、若い人達は「なんでいけないの?」という意見が多かった・・・。しかし、車内で時間をかけてアイメークに精を出し、降りる頃には別人と化している女子を見ると、アラフィフの私などはついつい「親の顔が見てみたい・・・」と感じてしまうのだ。
親の顔が見てみたい・・・
我が家の一人息子のじょん君は暴君・・・。
気に入らないご飯が出ると、全身全霊で暴れ、ハンガーストライキを起こす。
撫でて欲しいと寄ってきても放っておくと、家中を爆走してネガティブキャンペーンを開催する。
お客様が訪ねて来ても、愛想をふりまくで無く、「アンタ誰よ?」と常に上から目線で客を威圧する。
嗚呼、そんな子に育ててしまったのは、親である私の責任!
せめて、他人様に迷惑を掛けることだけは無いように、教育していかなければいけない!
人間にすると既に還暦過ぎのじょん君・・・。
今からで間に合うのか???
子育てにいまだに翻弄されるあいぞうであった・・・。