「港区ママの会」のブレーンのような存在のMさんから、

「子どもたちの放課後を救え!」
という本が出版されます、

というメールを年明けにいただきました。


TBSの「報道特集」のディレクター、川上敬二郎さんが

書かれた本で、Mさんの先輩だそうで。

川上さんがアメリカで取材された「アメリカでの放課後改革」

の取り組みの話や、現在日本でも始まった

というか、港区赤坂で始まった「放課後NPOアフタースクール」

の活動、というか奮闘が描かれています。

心が熱くなる、すんばらしい本でした!!

↓こちら。

子どもたちの放課後を救え!/川上 敬二郎
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うちはまだ3才なので、「放課後」というところまで、

経験がいたっていないのですが、

「タウンフォーラム」で一緒の小学生のお子さんをお持ちの

ママさんが、「港区の小学生の育ちが危ない!!」

ということを必死に訴えていらして、すごく気になるテーマでは

ありました。


彼女はアメリカにずっと住んでいらして、今は港区立の小学校

にお子さんを通わせていらっしゃるのですが、

小学校教育のレベルが全然違う!

このままでは、日本は沈んでしまう!という危機感を持って、

いらして、一生懸命そのことを訴えていらっしゃるのですが、

なかなか伝わらないんですよね。

百聞は一見にしかず、なんだろうなあ。


彼女いわく、とにかく子供たちがゲームばかりしている、

覇気がない、それは、体を動かす場がない、

校庭も狭くて遊ぶ時間が交代制、

ほとんどの公園でボールを使って遊ぶことが禁じられている、

これでいいはずがない!


いま、港区の小学校受験率は20%、

中学校受験率は45%。

小学校5年時点で塾に通う子供の割合が6割くらい

だったかな。

幼稚園受験率も異常に高いし、

なにしろこんなに「お受験幼児教室」に通う子が多いのは、

日本全国みわたしても、そうないだろう、という感じで。


話がちとずれましたが、

この「子どもたちの放課後を救え!」でも、

著者は、公園のベンチでビニールシートをかぶって

こどもたちがゲームをやっている光景にぎょっとするところから

始まります。

で、アメリカに取材に行くと、全米各地で

ものすごいたくさんの数のNPOが「放課後改革」をしている。

働く親が増える中で、誰も子供たちを見守れなくなり、

都会では非行に走る少年が急増したことから、

政府、自治体、民間の財団や企業も積極的に資金を

投じ始めたそうです。原動力となったのは「放課後NPO」。

1995年設立のボストンの放課後NPOでは、

500種類以上の放課後プログラムを開発し、子供たちに

提供しているということで。

いろいろな職業の「市民先生」による「弟子入り」プログラムや、

商品を開発して販売し、寄付事業にとりくむ「寄付プロジェクト」、

そして、とにかく自由に大規模なアートを生み出す

「レッジョエミリア」みたいなアートプログラム。


著者の川上さんはこう言ってます。

「わたしたちはこれまで『教育といえば学校』と、

あまりにも学校を頼りにしすぎていた。

しかし、学校には限界がある。なぜなら、子供たちは

目が覚めている全時間のおよそ2割しか、

学校ですごしていない。「放課後における地域の役割」

をじっくり考え、いまこそ実践しなければならない。

いま、日本でも共働きの両親が増え、「ホームアローン」

のこどもたちも増えている。テレビを見て過ごすだけの

子供たちがいる一方で、塾や部活動や習い事に忙しすぎる

子供も多い。彼らはそれぞれ有意義な放課後を

過ごしているだろうか。選択肢が少ないのではないだろうか」


ほんとにその通り!と思ってしまいました。

ただ、放課後の「居場所」をつくるだけでなく、

「生きる力、技術を学ぶ体験の場」をつくることが

彼らの人生を左右する経験になるかもしれない。

というか、たぶん小学生のときにどんな経験をしたか、

というのは、人生を左右します。

「きっかけ」が中学でおきても、高校でおきても、

その土台は、小学生のときの膨大な放課後の時間に

あるんじゃないか、と。


というわけで、著者の川上さんのお友達の平岩さんという方が、

脱サラして、日本初「放課後NPO」を始めるわけなんですが、

川上さんの論文を読んで、「それ、やろう!」と言って

最初の「市民先生」になった人が、赤坂で料理店をやっている

四分一さんという方で、その人はなんと、わたしが高校時代、

港区のロータリークラブの奨学金で留学したときの、

わたしのカウンセラーだった方だった、

という不思議なつながりで、先日、著者の川上さんや、

「放課後NPO」の平岩さん、「ママの会」のMさんたちと、

赤坂の四分一さんのところで集まる機会がありました。

感激!!

(つづく)