29・9・18
今朝(九月七日)各紙一斉に首相が年内解散を検討していることを伝えていた。数紙は臨時国会冒頭も視野とも記している。
国会解散は首相の専権事項と言われているが、この権限を行使するには、解散を必要とする大儀が何かを明らかにする必要があると言われているが、今回はそれが何かは必ずしも明らかではない。
首相は、当初、自民党、公明党、日本維新の会など現在の「政権勢力」での改憲発議を目指している、と考えられていて、解散の時期として来年十二月の任期満了近くにする段取りを描き、今年五月には憲法九条に自衛隊を明記する提案を行い、議論を促していたと言われている。
ところが「共謀罪」の採決強行や森友学園、加計学園問題で支持率が急落、七月の東京都議選では自民が惨敗し、求心力が低下する中、九条修正案には党内からも異論が噴出、公明からも早期の発議に否定的な意見が出て、改憲に向けた動きは、行き詰まりつつあると見られていた。
一方民進党の離党騒ぎ、小池東京都知事が事実上率いている地域政党の「都民ファーストの会」と連動した国政政党の行方も不透明であるという状勢の中で、八月の内閣改造後自民党の支持率が回復に転じつつあることから、新しい勢力で改憲を目指す方針に転換したし、来年九月に任期満了を迎える自民党総裁の三選を目指すために戦略は練り直す、という方針に向うことになっていた。
解散の大儀はどうも一様ではないが、今やれば少なくとも自民党の過半数は維持できるとなれば党内にも大きな反対は見られないと判断したのだろう。
いずれにしても、憲法改正は至上命題であると見られている限り、あとは、解散時期も戦略的になることは止むをえない、という考え方が大勢を占めるのではないか。