29・7・1
去年渋谷のセルリアンホテルのピカピカのロビーで滑って、右脚の骨にひびが入って以来、どうも痛みもあるし、又、急いで歩くのが不自由になったので、鳥取に行く時は、全日空の言われる通りに車椅子で航空機に乗り降りを余儀なくされている。こちらが考える以上に車椅子の操作も上事なので委せている。
長い廊下を車椅子に乗せられて行く間は、とくに初めの頃は、顔を見られることが気になって嫌だったが、だんだん馴れてみると、なかなか楽でいいし、脚の回復のためにもためになると思うようになっている。航空機へは一番先に乗せて貰えるし、降りる時は一番最後になるけれど、別に急ぐこともないと、ゆっくり構えている。
それでも、知っている顔に会うこともあるし、それは、噂さが拡がる種のような気がして嫌だが、まぁ仕方がない。
大体障碍者に親切に事が運ぶようになっている。
ただ、車椅子の出来工合は必ずしも良くはないと思うのは、車椅子の巾が少し狭いばかりではなく、乗って足を置くのも不自由だし、もっと専門的に検討していい車を作ってくれたら良いと思う。そう需要がないとも言えないのだから、少し高くても使用する老人が増えて行くことを考えれば、採算はとれるのではないか。