一日テレビを見ている人もいるようだが、私はその仲間ではない。野球やゴルフは見るけれども、昔のように一回から勝負がつくまでというように辛棒強すくはとても見てられない。国会中継は割とみている方だが、この頃はあまり面白いとは思わない。閣僚も若くなったのはいいが、不勉強な人もいて、いちいち後をふりむいたり、耳元でさゝやかれないと、答弁に立てない人もいる。政府委員を制限し、余り答弁に立たせないようにするのはいいけれども、そのため審議が深まらないようにも見える。

 もっとも、この頃の選挙は風が作用をするので、地元を余りほっておけない、ということもあるのかと思う。小選挙区制はやはりよくないのではないか。制度改正の時、自民党の総務局長をして、この制度の改変にも関与していた私としては、あれはやはりまずかったのかな、と思うことがしきりである。

 テレビが昔よりよく入るようになったせいもあるのかな、と思うが、テレビうつりを気にする質問が多くなったのも影響しているのか、と思うが、まともな勉強をして、政府委員までタジタジさせる名物男も減ってきたような気がする。週刊誌の記事に政治の裏表がよくとり上げられるようになったせいもあるかも知れない。

 もっとも、新聞のテレビやネットとの関係もあって、いろいろな点で質疑にも変化が出て来たせいもあるかもしれない。

 以前は、翌日の質問の内容をとりに、役所の人が会館を走り回ったものだが、今はどうなっているのだろうか。昔も、わざと質問について殆んど話してくれない意地の悪い人もいろいたが、今はどうなっているのだろうか。変ったという人もいる。

 以前に比べて、関係の海外出張が随分増えたように思う。あんなに外国の会議なんどを飛んで歩く人はなかったと思う。総理が先頭に立っている今の内閣は、答弁も先ず総理が立つようなことが多いが、昔は、よほどのことがないと総理の助け船などはなかったような気がする。

 何と言っても総理の国会における発言は重要なものであるから、も少し閣僚に答えさしたらいいと思うが、閣僚も頼りない人がいるから、仕方がないかも知れないし、それでいいのかも知れない。

 その件に関しましてはなお慎重審議の結果お答えしたいと思いますと何を聞かれても同じ答弁をして、大臣が席から立ち上るや「慎重審議かー」というヤジが飛んで、それでも何となくそれで流した時代とは、世の中大分変って来たかな、と思う。