私は、日本の少子化現象は、それこそ放置しておけないことを、どこへ行っても話すことにしている。

 少子化は少子化でとどまらない。今の少子は、大人になるが、彼等が増える筈はないから、又、少子化が進むに違いない。

 この問本を読んでいたら、日本人の数は三百年後には、四百万人になって仕舞う、と書いてあった。横浜一市の人口にチョット足したぐらいの数である。

 数は力なり、というが、こんなヨーロッパなどの小国の人口と同じ位の数の民族となって仕舞えば、何ができるというのか。

 もうその頃は、われわれは生きているわけはないから、そんなことは心配しなくてもいいのかも知れないが、それでは余り可哀相ではないか。

 どうしたら、生まれてくる子の数を増やせるか。もう一応にも、二応にも、人智を盡して対策を考えるべきではないか。

 子供が生まれて来ない原因はいろいろ考えられるが、もうわかっていることばかりではないか。しかし、生まれて来ないのは、どういう現象なのか。

 嫌われるのを承知で言うと、私は、もう過疎対策などに力を入れることは止めて、大都会中心で成り立って行くようにするしかないと思っている。

 何故、今でも、地方がさびれて、東京を初め大都会に人が集ってくるのか。

 大都会に行けば、何をしても食べられるし、大都会には何でもある。住みやすいし、楽しいし、周囲を気にすることはないし、その他個人とっては、いい環境ではないか。北海道などではいい例である。道全体の人口は増えているのに、札幌は終戦時の何倍にもなっている。今や二百万都市である。

 力を入れて、金を投じて、人口を増やそうとしても、大都会を変えることができないとなれば、流れに従って、人の住み易い町を中心に、子供を増やしていくことを考えるしか方法はないのではないか。

 行政の面から言えば、今の四七都道府県はたしかに多すぎる。大東京、大大阪でもよい。こういう大都市を中核として、都市政策を建てて行くべきではないか。

 その意味で道州制は賛成である。それは過疎地の切り捨てではないか、と言われれば、正直にそうだと言わざるをえない。日本の生きるためには、そうでもするしか仕方がないではないか。

 そして、外部に対しては針ねずみのように固い、武装化を整えておくべきである。お隣あたりから飲みこまれて仕舞わないように。