28・9・17

 ついこの間、某大新聞の」社長と偶然会って短い四方山話をしたが、彼は、新聞の販売部数が減っていること、とくに広告収入が激減していることを嘆いていた。前々から噂は聞いていたが、そんなに酷いとは思わなかった。このまゝ進んでいったら新聞の経営が大へんになると言う。いくらか誇張はあるにしても、満更うそではないと思った。

 私は、地元でCATVの会長をしているが、この世界も一時加入者が増えて喜んでいた状態から変りつつある。

 通信、放送などの分野での、大袈裟に言えば革命的な変化が進みつつあるように思う。

 技術に弱いわれわれの頭では充分理解し難いとところはあるにしても、およその風向きはわからないでもない。

 私は、昔から新聞をできるだけ沢山とって見出しだけでも見るようにしている。中央紙、地方紙合わせて、八社の新聞を今でもとっている。

 読むのに追われて、二、三日経つと新聞の山ができて、きて、うんざりし、TVのニュースを見る方が、早く、わかり易くていい、と思ったりするが、各紙それぞれの偏りはあるにしても記事の差に興味がなくもないので、一応全紙の見出しぐらいは見ることにしている、世界の動きをかい間見る思いからである。

 ニュースは真実を伝えて欲しいが、そのとらえ方が先ず問題である。それでも、それぞれの特徴は見られなくもない。それでどうしたといわれれば、それまでであるが、知ることが頭の体操の一つぐらい、に思っている。

 新聞はできるだけ、真実、ないし真実と思えるところを伝えて欲しい。各紙にとらえ方に差があって結構、時々異見があってもいい。眼を開かれることもある。

 この激動の世界の動きを知るだけでも、長く生きて来た甲斐がある、ような気もする。こういう読者もいることを忘れないでいて欲しいと思う。